【独自】2年連続マイナーで開幕も…ドジャース入団は「最高の選択」 キム・ヘソンが“捨てた”過去、理解した「果たすべき役割」
ドジャース2年目を迎えたキム・ヘソン【写真:黒澤崇】再確認した「自分の役割」、喜びを噛み締めた1か月遅れの贈呈式
ドジャース入団も、2年連続で開幕はマイナーで迎えた。メジャーで生き残るため、壁として立ちはだかるのは、ムーキー・ベッツやトミー・エドマンといった実績十分の選手たちだ。それでもキム・ヘソンは前を向き続ける。念願の優勝リングを受け取り、より深く理解した「自分の役割」とは何なのか。強大戦力を誇るドジャースでどんな選手になろうとしているのか。直撃取材で、口をついた言葉には力があった。
27日(日本時間28日)にドジャースタジアムで行われたマーリンズ戦の試合前、ロッカールームでデーブ・ロバーツ監督の演説が始まった。
「彼がチームにいると、他のみんなが、より良い選手になってワクワク感を与えてくれる」。指揮官のこんな賛辞とともに「ここへ来てくれ」と真ん中へ呼ばれたのがキムだ。
「チームメート、スタッフ、フロントオフィス……。球団内のみんなが、君を祝福してワールドシリーズのリングをプレゼントしたいと思っているんだ」。手渡されたのは、昨年のワールドシリーズ優勝リングが入った青い箱だった。
キムにとっては全くのサプライズ。当時の心境を聞くと「あそこでもらえるなんて聞いていなかったです。ロッカールームで急に始まって……。本当に驚きました」と笑みを浮かべた。
Prior to tonight's game, Doc and the team presented Hyeseong with his 2025 World Series ring! pic.twitter.com/8HO0lIQQjm
— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) April 28, 2026
2年連続でワールドシリーズを制した昨季、キムは71試合に出場して打率.280、3本塁打、13盗塁を残した。リングを受け取る資格はあったが、チーム揃っての贈呈式が行われた開幕戦当日は3Aオクラホマシティにいた。1か月後のこの日、チームメートから祝福され、ようやく喜びを噛み締めた。
「優勝して、実際にリングを手にするまでちょっと長かったので、改めて実感が湧いてきた気がします」とキム。さらにスピーチを求められて口にしたのが「ドジャースに来たのは最高の選択だった」という言葉だった。
持ち味のスピードを生かし躍動感溢れるプレーを見せるドジャースのキム・ヘソン【写真:黒澤崇】優勝リングに誓った「自分が果たすべき役割」
2024年オフ、所属していた韓国プロ野球のキウムから、ポスティングシステムを利用してメジャーリーグを目指した。日本とは違い、韓国からこの制度を利用すると、大リーグ球団との交渉期限は30日しかない。ドジャースと3年総額1250万ドル(約20億円)の契約を結んだのは、交渉期限ギリギリの2025年1月3日。報道でドジャースの名前が浮上したのは契約締結直前だった。
キムの本職は二塁と遊撃。ドジャースのセンターラインには、ベッツやエドマン、ミゲル・ロハスら実績豊富な選手が揃っていた。実際、東京での開幕戦直前にマイナー落ちとなり、開幕は3Aで迎えた。入団交渉の過程で、マリナーズ、エンゼルス、マーリンズなどの球団が獲得に興味を示していると報じられていたこともあり、母国のメディアやファンからは「もっと出番のあるチームに行くべきだったのでは……」という声もあった。ただ、27歳のキムにはある信念があった。
痛恨の失策翌日、大谷を助ける好プレー…成長の裏に変化を恐れぬ姿勢
(羽鳥慶太 / Keita Hatori)
