立大の救世主は星稜出身の1年生 知将もお手上げ…大谷翔平ばり驚異の毎分2600回転

6回無失点の好投を見せた立大・道本想【写真:加治屋友輝】
6回無失点の好投を見せた立大・道本想【写真:加治屋友輝】

疲労困憊のエースに代わり、立大・道本想が6回91球無失点の好投

 東京六大学野球春季リーグを戦う立大に救世主が現れた。石川・星稜高出身の1年生右腕・道本想投手が、早大1回戦に先発し、6回91球無失点の快投で1-0の勝利に貢献。身長175センチのルーキーがリーグ戦初勝利をあげた要因は、メジャーリーガーばりの“回転数”にありそうだ。

 1年生の道本が抜擢された背景には、前週の明大1回戦でエースの田中優飛投手(3年)が9回142球完封勝利を挙げ、2日後の同3回戦にも先発(2回6失点4自責点)し、疲労困憊していた事情があった。道本自身は開幕早々にリリーフでリーグ戦デビューを果たし、前週の明大2回戦では先発(5回87球2失点)も経験していた。

 木村泰雄監督は「田中を休ませる意味で、道本に1回戦先発を託しました。当初は80球くらいまでと思っていましたが、91球まで行けた。少しずつ伸びているので、このまま成長していってくれればと思います」と好投に目を細めた。

 指揮官は道本を「1年生らしからぬ落ち着きがある。こちらが見習いたいくらいです」と評する。投手としては「真っすぐの質がいい。抜群の回転数は数字に表れています」と称えた。

 東京六大学では、神宮球場に設置された「ホークアイ」で計測した投球の回転軸、回転数、変化量など精密なデータが開放されている。道本の投球の回転数は、本人によると平均2500回転(毎分)で、2600回転をマークしたこともあるという。計測環境が違うため単純比較はできないが、大谷翔平投手はエンゼルス時代の2021年に平均回転数・2449回転を記録しており、それを踏まえると道本の回転数は驚異的といえる。

早大・小宮山悟監督も評価「初見では打つのがなかなか厳しい」

 一般的に、回転数が多いと、捕手のミットの手前でもスピードが落ちていないように感じると言われる。抑えられた側の早大・小宮山悟監督は「ミーティングで(道本について)調べ上げてはいましたが、初見では打つのがなかなか厳しいことも、ある程度わかっていました。(道本の投球は)打者の手元で相当勢いがありました」と評価した。

 早大も「1番・中堅」に神奈川・横浜高出身の阿部葉太外野手(1年)、「2番・指名打者」に宮城・仙台育英高出身の川尻結大捕手(1年)を並べていた。道本は同学年の2人を「打たせたら、相手を流れに乗せてしまう。絶対抑えてやる」と強く意識。阿部とは3打席対戦して内野安打1本に抑え、川尻は3打席3三振に仕留めた。

 星稜高1年の秋には、現早大の佐宗翼投手(2年)の控えとして明治神宮大会で優勝。翌春の選抜大会でもベスト4入りに貢献した。ただ、自身がエースとなった最後の1年は甲子園出場を果たせなかった。

 先輩の佐宗は、この試合、早大のブルペンにいた。道本は「見せつけてやりたいなと思っていたので、勝ててよかったです」とニヤリ。背中を追い続けてきた先輩より先に、東京六大学でリーグ戦初勝利を挙げた。

 「勝てる投手になって、チームを優勝に導けるようになりたいです」と力を込めた1年生右腕。道本の今後の成長は、2017年春を最後に天皇杯から遠ざかっている立大の命運に影響を与えそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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