空中分解寸前のレンジャース。ダルビッシュの来季はどうなる?

ロン・ワシントン監督が解任の危機

 ダルビッシュは来季、違う指揮官のもとでプレーするのだろうか? レンジャーズのロン・ワシントン監督が解任の危機に瀕していることを、米全国紙USAトゥデーは大きく取り上げた。2年ほど前には黄金時代を迎えるとすら思われていたチームが、空中分解寸前だ。

 序盤戦にア・リーグ西地区首位を快走していたチームは、信じられないほどの失速で優勝を逃した。特に、9月に入ってからは5勝15敗。8月下旬まで激しいデッドヒートを繰り広げていたアスレチックスが21日に2連覇を決めた時点で、8・5ゲームもの大差がついた。

 さらに、ワイルドカード争いでも、プレーオフ進出圏外の3位まで転落。マネーボールでおなじみの野球分析手法「セイバーメトリクス」専門のシンクタンクで、同紙が顧客となっている「ベースボール・プロスペクタス」は、8月31日時点でレンジャーズのプレーオフ進出確率を98%としていたが、現在では35%まで下落しているという。

 2011年、ワシントン監督率いるレンジャーズは、強力打線を武器にシーズン96勝と圧倒的な強さを見せた。しかし、ワールドシリーズ第6戦では初の世界一まであと1ストライクという場面を2度も作りながら逆転負け。第7戦も敗れ、カージナルスにシリーズを制覇された。悲願達成に向け、同年オフにはダルビッシュを獲得。戦力は充実し、当分はレンジャーズの時代が続くと思われた。ただ、昨年のシーズン最終戦にアスレチックスに奇跡の逆転優勝を許すと、歯車が狂っていった。

 同紙は「このまま状況が好転しなければ、彼は解雇されるだろう」とはっきり記している。ただ、この異常なまでの失速には説明できない部分も多い。だからこそ、「責任が彼にあるわけではない」と擁護もしている。ダルビッシュらレンジャーズの選手たちは、プレーオフ進出だけでなく、愛すべきキャラクターの指揮官を救うためにも、シーズン最後の戦いで結果を残さなければならない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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