4度目のオープン戦登板で初の勝利投手に 「新ルール」が田中将大を救う

セーフの判定が覆る

 ヤンキースの田中将大投手が22日、ツインズとのオープン戦に先発し、5回2/3を投げて3失点を喫した。試合は5-4で辛勝。田中はオープン戦初の勝ち投手となったが、乱調気味のエースを救ったのは指揮官のチャレンジだった。ESPNが報じた。

 3回1死一塁のことだった。相手走者のアーロン・ヒックス外野手が盗塁を狙った。これを阻止するためにフランシスコ・セルベリ捕手がディーン・アナ二塁手に送球。アナのタッチはスライディングするヒックスに間に合ったかに見えたが、塁審のマービン・ハドソン氏はセーフの判定を下した。

 アウトだと確信していたジラルディ監督はスタッフにリプレーを迅速に確認させ、主審にチャレンジを主張した。ジラルディ監督にとってはオープン戦2度目となるチャレンジだったが、ビデオ判定の結果、判定は覆り、アウトとなった。

 ピンチのはずが、一転2アウトでランナーなしに。これが最大のファインプレーだった。この後、田中はさらなるピンチを迎える。ブライアン・ドージャー内野手がヒットを放ち、カート・スズキ捕手が三塁手のエラーで出塁。ジョー・マウワー内野手が四球を選び、満塁となった。ジョシュ・ウィリンガム外野手はあわや満塁ホームラン級の当たりを放ったが、レフトフライ。田中は何とか切り抜けた。

 結果的に、指揮官のチャレンジ成功が田中を救った。

「(チャレンジは)すごくうまくいったね。誰も過ちを犯したいと思っているわけではないから、これ(ビデオ判定)は素晴らしい。これまでも何回も判定を巡る異議を申し立てたことがあった。異議が正しかったことも、間違っていたこともあった。だが、誰もがリプレーで再確認することができる」

 ジラルディ監督はそうコメントした。

 ビデオ判定の大幅拡大は昨秋のオーナー会議で発表され、今年から適用となったばかり。両監督は主審の判定に対し、チャレンジを申し立てる権利を1度ずつ保有している。1度目のチャレンジに成功した場合だけ2度目の申し立てが可能となる。

 1試合におけるチャレンジは各チーム最大2度。この試合の場合、3回の時点でチャレンジに失敗していれば、その後に微妙な判定やあからさまな誤審があった場合でも審議を要求できなかったことになる。

 この日の3失点でオープン戦での通算防御率が1・93から3・00となってしまった田中だが、指揮官は「彼はよくやってくれた。どんどんキレが出ているように見える。最初の3回は制球に苦しんでいたように見えた。今日はさほどいいボールが来ているとは思えなかったが、全体的には満足いく出来だった」と擁護していた。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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