広島・緒方監督が今季初の会見スルー 試合後コメントは広報が“代弁”
ヤクルト勝利で優勝マジックは12で変わらず
■阪神 11-3 広島(5日・マツダスタジアム)
広島は5日、マツダスタジアムで行われた阪神戦に3-11で敗れ、連勝を7で止めた。試合前に新井貴浩内野手が引退表明し、落ち着きのない雰囲気で迎えたこの日。先発の九里亜蓮投手が初回に4失点するなど試合が作れず、打線も阪神先発・岩貞祐太に初黒星を喫した。終盤に大量失点を許すなど、試合内容に不満があったのか、緒方孝市監督は試合後の会見室に姿を現さなかった。
報道陣が待ち受ける試合後の会見室に姿を現したのは、指揮官ではなく監督付の松本広報。「切り替えて、また明日頑張ります」と監督のコメントを代弁した。
初回に3連続四球から4失点した九里をはじめ、4投手が失点に絡む9与四球に憤慨したのか、あるいは質問が集中すると思われる新井についてのコメントを避けたのか。いずれにせよ、試合後の会見場に姿を見せなかったのは今季初めてのことだった。
5回の2死2塁の場面に代打で登場した新井は、スタンドから大声援を受けたが、空振り三振に倒れた。「なんとか打ちたかったけど、また明日に向けて準備したい」と声を絞り出すと、阪神ファンからの声援もあったという質問に「そういう声も届いている。本当にありがたい」とファンに感謝した。
惨敗の中、攻撃陣は新井を慕う鈴木誠也と丸佳浩の本塁打で反撃を見せた。丸は「いいスイングができた。明日からも頑張りたい」と気持ちを切り替え、鈴木は「勝ちたかったけど、負け方がちょっと、という感じでした」と敗戦を悔やんだが、「詰まったけどホームランはホームラン。もっとチャンスの場面で打ちたい」と前を向いた。
対象チームのヤクルトが勝ったため、マジック12は変わらない。監督の会見スルーという珍事はあったが、7連勝中だったチームにとっては、ひとまず小休止、という1敗に過ぎないのかもしれない。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)