無念の負傷も仲間にかけた「頑張れよ」 聖地で再び躍動へ…専大松戸が信じる「8」の力

2023年以来の夏の甲子園へ
第108回全国高校野球選手権千葉大会は24日、ZOZOマリンスタジアムで準決勝が行われ、第1試合で2023年以来の夏の甲子園出場を目指す専大松戸が志学館を7-0の7回コールドで下して決勝進出を決めた。ベンチには前戦の負傷で欠場した長谷川大納外野手(3年)の背番号8のユニホームが飾られており、無念さを抱える仲間に勝利を届けた。
2回に吉岡伸太朗捕手(3年)の右前打を足掛かりに、相手の失策も絡んで先制した。6回には、主将の高貝規仁内野手(3年)が左翼線への二塁打で出塁すると、吉岡が右フェンス直撃の適時二塁打を放つなど一挙4点を奪って突き放した。
投げては、エース右腕の門倉昂大投手(3年)が72球で2安打に抑える好投。攻守で主導権を握り、志学館を7回コールドで下した。試合後、選手たちが次々と口にしたのは、前戦の市立船橋戦で本塁へのクロスプレーの際に負傷した長谷川の名前だった。
攻守でチームの中心だった長谷川に代わり、「8番・中堅」で先発した三坂辰伸外野手(3年)は、6回に左前適時打を放つなど勝利に貢献。試合前には長谷川から「緊張せず頑張れよ」と声をかけられていたという。
同じ外野手の同級生で、普段から仲のいい間柄だ。この日は「怪我で出られない分、代わりに出させてもらって、長谷川の分まで頑張ろうという気持ちでやっていました」との思いを抱いてグラウンドに立った。

長谷川について持丸監督「決勝で勝てれば以降は出られる」
三坂だけではない。高貝は長谷川の悔しさを自分の経験と重ね合わせていた。かつて自身も怪我で試合に出られず、ベンチから仲間の戦いを見つめていた時期がある。「試合に出たかったし、本当に悔しかった」。だからこそ、気持ちが分かる。
「ここで負けて引退となってしまうと、長谷川も悔いが残るし、自分たちも後悔すると思う。しっかり勝てるように、長谷川の分も頑張っていきたい」。主将として、仲間の思いも背負って決勝へ進んだ。
ただ、長谷川の状態は決して軽くないという。試合後、持丸修一監督は「状態は悪いですよ。全然ダメです。もう出られない」と説明した。その一方で、「もし勝てれば、それ以降は(試合に)出られると言ってました」とも明かした。決勝でのベンチ入りについても「野球ができるのであれば、入れますよね」と話しており、この日の勝利で再びグラウンドに立つ可能性が残された。
専大松戸は、あと1勝が必要になる。背番号8のユニホームをベンチに飾って戦い、出塁した選手は塁上から指で「8」のポーズもとった。甲子園出場で再び長谷川と一緒に戦うために――。夏の甲子園出場を懸けた決勝で勝利を目指す。