夏の甲子園が開幕 インドネシア球児2人が始球式「今まで感じたことがない感動」

「小4で知った甲子園」に17歳、18歳で立つ夢を実現
第108回全国高校野球選手権大会が5日、阪神甲子園球場で開幕した。開幕試合前には、昨年12月にインドネシアで開催された交流大会「アジア甲子園」に出場した投手のトゥク・ムハンマド・エミール・ラヤさん(18)と捕手のサムエル・クルニアワンさん(17)が始球式を務め、憧れの聖地のマウンドに立った。
始球式を終えたラヤさんは「本当に安心しました。一つの大きな仕事が終わったという気持ちです」と安堵の表情を見せた。スタンドを埋める観客を目の当たりにし、「大きさと観客の数の多さにびっくりしました。今まで感じたことのない感動でした」と興奮気味に振り返った。
自己採点を求められると、ラヤさんは「100点満点中60点」と苦笑い。その理由については「緊張しすぎてワンバウンドになってしまったから」と照れながら明かした。
2人が甲子園の存在を知ったのは、ともに小学校4年生の頃だった。ラヤさんは野球のコーチから、クルニアワンさんはジャカルタ・ジャパニーズ・クラブ(JJC)の知人から日本の高校野球を教わり、憧れを抱くようになったという。
野球はインドネシアで決してメジャーな競技ではない。それでも2人は幼い頃に趣味として始めた野球を続けるうちに競技への愛情を深めた。ラヤさんは大学野球を経てセミプロ、さらにMLB入りを目標に掲げる。一方のクルニアワンさんは「インドネシア野球を牽引する存在になりたい」と将来を見据え、国際大会や国内大会で経験を積みながら競技の普及にも貢献したい考えを示した。
昨年12月に開催された「アジア甲子園」は、高校野球を通じた国際交流を目的にインドネシアで初めて開催された。2人によると、大会の開催によって「次は自分もアジア甲子園に出場したい」という目標を持つ選手が増え、野球への関心も少しずつ高まっているという。
2人は「甲子園には自分たちよりもレベルの高い選手がたくさんいることを実感しました。これからも慢心せず努力を続けていきたい」と口をそろえた。憧れ続けた聖地で得た経験を胸に、それぞれの夢へ新たな一歩を踏み出した。
試合は、仙台育英は古川諒弥投手(2年)、札幌日大は石川瑛二朗投手(3年)が先発し、熱戦の幕が上がった。
(Full-Count編集部)