MLBのタイトル争い。サイ・ヤング賞にはダルビッシュの名前も
USAトゥデーが予想する、今季の個人タイトル
果たしてタイトルの行方は? 25日付の米全国紙USAトゥデーは、今季の個人タイトルを占う特集記事を掲載した。個人成績、所属チームの順位を元に、両リーグのMVP、サイ・ヤング賞、新人賞、最優秀監督賞を予想。ア・リーグのサイ・ヤング賞候補の中には、ダルビッシュの名前も登場している。
まずはア・リーグのMVPだ。特筆すべき数字を残しているのは、エンゼルスのマイク・トラウト。打率3割2分5厘、26本塁打、92打点と打撃の主要3部門がすべて高水準で、選手の総合評価指標としてメジャーで重視されるWARは9・1。堂々のトップだ。一方、昨季のMVPで三冠王のミゲル・カブレラも打率3割5分、137打点と2部門でリーグトップに立っており、タイガースはすでにポストシーズン進出が決定。2年連続の三冠王が濃厚と見られている。
ナ・リーグはダイヤモンドバックスのポール・ゴールドシュミットが35本塁打、123打点と2部門でリード。一方で、ヤディル・モリーナは中地区制覇が目前のカージナルスを打率3割1分4厘の打撃と、抜群の守備力・リードで引っ張る。ただ、同紙はパイレーツのアンドリュー・マッカチェンがMVPにふさわしいと指摘。打率3割1分9厘、20本塁打、82打点は立派な成績で、チームリーダーとしてパイレーツを21年ぶりのプレーオフ進出に導いたことも評価している。
ア・リーグのサイ・ヤング賞レースでは、レンジャーズのダルビッシュ有が特筆すべき数字を残している。リーグトップの260奪三振、被打率1割9分3厘は驚異的だ。ただ、タイガースのマックス・シャーザーはすでに20勝に到達。ダルビッシュは13勝と大きく水をあけられている。しかも、タイガースは中地区制覇が目前。レンジャーズはプレーオフ進出すら危うくなっており、日本のファンの願いは叶わない可能性が高い。
ナ・リーグでは、西地区を制したドジャースのクレイトン・カーショーが頭一つ抜け出している。防御率1・88、224奪三振で、WHIP(1イニングあたりの安打+四球)は0・92といずれもリーグトップ。防御率は3年連続トップでシーズンを終えることが確実だ。東地区優勝のブレーブスで抑えのクレイグ・キンブレルが自己最多の49セーブと奮闘しているが、タイトル獲得は厳しそうだ。
ア・リーグの新人王は、ホセ・イグレシアスが最有力。前半戦は東地区優勝のレッドソックスで活躍し、タイガースに移籍した後半戦も勢いは継続。ショートの守備は天才的で、打率3割1分と課題とされていた打撃も開花した。ナ・リーグでは、マーリンズの先発右腕ホセ・フェルナンデスが、ドジャースで驚異的な活躍を見せたキューバ人のヤシル・プイグを抑えると同紙は見ている。12勝6敗、防御率2・19と安定感抜群で、特に本拠地では9勝0敗、防御率1・19とファンを熱狂させた。
最優秀監督賞は、ア・リーグがレッドソックスのジョン・ファレル、ナ・リーグはパイレーツのクリント・ハードルか。ファレルは昨季93敗を喫して最下位に沈んだチームをここまで95勝させ、地区Vに導いた。ハードルは、20年連続負け越しだったチームをプレーオフに進出させたことが最大の功績だ。
同紙独自の予想は果たして当たるのか。オフになったときにもう1度この記事を見直してみたら、面白いかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count