甲子園で話題のユニ、現場のリアルな声「格好良さよりも…」 夏限定の可能性、明かされた事情

色合いやマークはそのまま…首元を変更しメッシュ素材に
話題のユニホームは、夏の甲子園限定になるかもしれない。第108回全国高校野球選手権は大会第4日の8日、甲子園球場で1回戦4試合が行われ、第1試合は2年ぶり13度目の出場となった青森山田(青森)が遊学館(石川)と対戦。序盤のリードを守り切り、6-5で初戦を突破した。
初回に藤川哲内野手(3年)の中前2点打で先制するなど3回までに6点をリード。中盤以降、3投手の継投で遊学館の反撃をしのいだ。ベスト4に進出した2024年以来の出場で夏の甲子園は通算16勝目。この大会から変更したユニホームも「涼しげ」「めちゃくちゃ良い」など話題を呼んでいる。
グレーの色合いや左胸の「A」などのマークはそのままだが、胸元にあった切れ目と3つのボタンをなくし、メッシュの素材にしている。発案したのは兜森崇朗監督。近年の猛暑対策として2年前から導入を検討していたという。
対馬竜之介部長は「なかなか実現しなかったけど、今回の甲子園から導入できました。とにかく涼しさ、軽さ、着心地を考えています。ボタンがないので着脱しやすい」と説明。「デザインや色は同じで変わったのは首元だけです。格好良さよりもプレーに直結するプラスのところがあればいい」と力を込めた。
伝令役などでチームを鼓舞した主将の須藤彪(ひゅう)外野手(3年)は「着心地は練習着と近い感じ。練習と同じように軽い感じでできる。違和感はないです」と新たな“戦闘服”が気に入った様子。2回に右前打を放つなど攻守にチームをけん引した郡司宙弥内野手(3年)も「結構軽くて、動きやすいです」とうなずいた。
夏の甲子園とは大きく異なる秋以降の東北地方の気候
チーム内外で好評だが、今後については不透明な部分がある。今回着用したのは兜森監督とベンチ入りメンバー20人だけで、それ以外の選手は従来のユニホームのまま。77人の部員の大半が新ユニホームを持っていないのが現状だ。
夏の甲子園が終わると秋季大会に備えることになる。ただ、秋以降の青森は気温が大きく下がる。対馬部長は「青森はそんなに暑くないので、このユニホームでいくのかどうか……」と言葉を濁す。「ベンチ入り以外は今までのユニホームですし、また買い直さなければならない問題が出てくる」と思案顔だ。
猛暑の夏の甲子園と、秋から春にかけての東北地方の気候は大きく異なる。費用の問題もある。「夏が終わればもしかすれば……。状況を見ながらですね」。夏の甲子園限定となる可能性は否定できない。
それでも甲子園常連校にとって、2年前の4強を超える初の日本一に向けて、少しでもプレーにプラスになる要素を取り入れたいのは事実。今は涼しげで軽く、動きやすいユニホームで、軽快に進撃することだけを考えて突き進む。
(尾辻剛 / Go Otsuji)