甲子園で応援→バスで広がった“もう1つの戦い” ハード日程も充実、貫く「文武両道」

演奏で選手を後押しした三重の吹奏楽部【写真:神吉孝昌】
演奏で選手を後押しした三重の吹奏楽部【写真:神吉孝昌】

三重高校吹奏楽部員が3回戦応援→翌日に“全統模試”を受験

 第108回全国高校野球選手権大会は18日、甲子園球場で準々決勝が行われ、第1試合に登場した三重は天理(奈良)に0-7で敗れた。アルプススタンドから声援を送った吹奏楽部員にとっても、過密スケジュールと戦うハードな夏休みだった。

 15日に行われた履正社(大阪)との3回戦。アルプススタンドで応援を終えた部員たちは、そのままバスで学校のある三重県松阪市へと向かった。通常であれば翌日はオフになるところだが、2年生部員たちには「全統模試」が待ち受けていたのだ。

 三重高校には国公立大学や難関私立大学を目指す「特進クラス」があり、吹奏楽部の部員の多くが所属している。そのため、帰りのバス車内では部員が一斉に参考書や教科書を広げ、猛勉強に励む光景が広がった。

 そんな中、部長の岡村泉希(みずき)さんは特進クラスではないため、模試の対象外だった。「帰りのバスでみんなに話しかけていたのですが、『勉強させてよ~!』とあしらわれてしまって(笑)」と、高校生らしいエピソードを明かしてくれた。

 この日の天理戦は午前8時開始の第1試合だったため、部員たちは深夜2時に松阪市の学校をバスで出発し、再び甲子園へ駆け付けた。「部員はみんな野球が好きで、甲子園で演奏できたことが本当にうれしい。とにかく勝ってほしいです」。その願いはかなわなかったが、聖地で駆け抜けた2週間は、部員たちにとってもかけがえのない夏の思い出となった。

(神吉孝昌 / Takamasa Kanki)

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