甲子園で窮地も「いい意味で気楽に」 父親が感じた成長…2年生エースが研ぎ澄ました“強心臓”

健大高崎・石垣聡志が9回2死満塁のピンチで好救援「いい意味で気楽にいけた」
第108回全国高校野球選手権大会は20日、甲子園球場で準決勝が行われ、健大高崎(群馬)は1-0で天理(奈良)を下し、智弁和歌山との決勝に駒を進めた。9回2死満塁と絶対絶命のピンチで救援登板したエースの石垣聡志選手(2年)は、空振り三振に抑えて窮地を脱した。「(登板する)準備はしていた。まだ自分は2年生なので、いい意味で気楽にいけた」と振り返った。
健大高崎は「4番・投手兼指名打者」の佐藤麻恩(まおん)選手(3年)が初回、1死一、二塁のチャンスで右前に適時打を放ち先制。投げても佐藤が8回1死まで96球、2安打1四球無失点の熱投を見せた。2番手以降は小刻みな継投も、逃げ切りを図った9回、2死満塁のピンチが到来。天理の大応援団が奏でる「わっしょい!」がスタンドを揺らす中、エース石垣がマウンドへ向かった。
「元々、『ピンチの場面で投げるぞ』っていうのは言われてたので。『自分たちがリードしているんだから気楽にいこう』と自分に言い聞かせてマウンドに立ちました」。プレッシャーが極限に達する場面でも、背番号1は一切動じずに相手打者を力でねじ伏せた。
石垣は東京都出身。5歳上の兄の影響を受け、幼稚園(年長)で野球のキャリアをスタートさせた。神奈川県への転居を経て、小学5年時に父・信太郎さんの故郷である沖縄県・石垣島へと移住する。
中学時代、健大高崎が石垣島で実施していたキャンプを訪れ、青柳博文監督に挨拶を交わした。2024年春の選抜初優勝という快挙も目の当たりにし、「甲子園で上を目指したい」と覚悟を決めて同校の門をたたい
準々決勝・有明戦で経験した“アウェー”の空気…父、信太郎さん「本当に頼もしい」
父の信太郎さんは「もともとはおっとりした性格ですが、甲子園の中ですごく成長したなと感じます」と目を細める。なかでも準々決勝の有明(熊本)戦で成長を強く感じたという。
震災で大きな被害を受けた熊本の思いを背負い、初の甲子園出場で快進撃を続けた有明を相手に、石垣は10回110球の熱投で完封勝利。有明が生み出す独特な“空気感”に流されることなく、自らの投球に集中した。
「球場全体が相手を後押しするような雰囲気の中、本当によく投げてくれました。表情を見てもリラックスしていて、本当に頼もしく思いました」
前エースであり、昨年のドラフト会議でロッテから1位指名を受けた同姓の先輩・石垣元気投手から「お前がエースとしてチームを引っ張っていけ」と激励の言葉を託された2年生右腕。決勝の相手は、横浜の好投手・織田翔希を打ち崩した強力・智弁和歌山打線だが、甲子園のマウンドで研ぎ澄ませた“不動の心”を胸に立ち向かう
(神吉孝昌 / Takamasa Kanki)