阪神ドラ1指名も「全く別物」 明大勢が明かすドラフト後の胸中…抱いた不安「呼ばれないのかな」

立大戦に出場した明大・福原聖矢、岡田啓吾、榊原七斗、光弘帆高(左から)【写真:小林靖】
立大戦に出場した明大・福原聖矢、岡田啓吾、榊原七斗、光弘帆高(左から)【写真:小林靖】

光弘は調査書2球団…指名を待ちながら「これ、呼ばれないのかな」

 夢への扉が開いても、まだやり残したことがある。31日、秋晴れの下、神宮球場で行われた東京六大学野球秋季リーグ第8週の立大1回戦で、明大は4-3のサヨナラ勝ちを収めた。22日のドラフト会議では、榊原七斗外野手が阪神から1位、岡田啓吾内野手が楽天から2位、福原聖矢捕手がヤクルトから3位、光弘帆高内野手が広島から5位で指名された。指名後初の公式戦で、4年生の“明大カルテット”が優勝への望みをつないだ。

「6番・遊撃」で出場した光弘は、2-3の8回1死二、三塁で右前へ同点適時打を放ち、3打数2安打1打点。「今は学生という感じなんで」と勝利に集中した一方、指名直後は「次の日ぐらいまでは、ソワソワしてました」と落ち着かなかったという。ドラフト当日も、名前が呼ばれるかどうかの不安を抱えていた。

「4巡目が終わるくらいまでとても長く感じて、『これ、呼ばれないのかな』みたいなことは少し思ったりもしていました。調査書が届いたのが2球団しかなかったので」。同じ明大で夢をつかんだ仲間にも、それぞれ違うドラフトの時間があった。

「4人の中だったら一番実力は下なので、下から這い上がっていきたいと思います。ダメだったらすぐに切られてしまうし、そこは自分次第」。厳しい世界で必要とされる選手になるため、食らいついていく覚悟だ。

明大・岡田啓吾(左)と楽天・宗山塁【写真:加治屋友輝、栗木一考】
明大・岡田啓吾(左)と楽天・宗山塁【写真:加治屋友輝、栗木一考】

岡田は先輩・宗山へ指名報告、榊原は「ドラフトとリーグ戦は全く別物」

「1番・二塁」で出場し、5回に一時勝ち越しの適時二塁打を放った岡田は、まだ日常で指名の実感が湧くことは少ないという。それでも、支えてくれた人たちへ感謝を伝える時には、夢が現実になったことを感じている。最初に連絡したのは母。高校やボーイズの監督にも報告し、「小さい時から育ててくださっている方々に感謝を伝えた時、すごい嬉しそうな声で『ありがとう』と言ってくれて」と喜びを分かち合った。

 明大の先輩で楽天の宗山塁内野手にも、自らLINEを送った。「(楽天から)指名していただきました。これから色々分からないことが多々出てくると思いますが、ご指導よろしくお願いします」。返ってきたのは「おめでとう。色々分からないこととかは、なんでも聞いてね」という言葉だった。オフに宗山と練習する予定は「今のところは無いですね」としつつ、「そこは宗山さんにお任せできればなと思ってます」と話した。

 阪神から1位指名を受けた榊原も、今は明大の優勝を見据えている。「ドラフトとリーグ戦は全く別物だと考えていました」。取材や指名挨拶が続く中でも、相手のデータを確認し始めると立大戦へ意識を集中させた。注目を集めて迎えた一戦にも、緊張やプレッシャーは特になかったという。

「3番・中堅」で出場したこの日は、逆転を許した直後の8回に先頭で一塁への内野安打を放った。「形はどうであれ、出塁する思いが強かったです」。内海優太内野手(4年)の右前打、福原の犠打で三塁へ進み、光弘の適時打で同点のホームを踏んだ。泥臭くつないだ一本が、反撃の起点になった。

 9回は次打者として、自分に回れば決めるつもりでいた。一方で「前に頼もしいバッターがいる」と、2番の田上夏衣外野手(3年)への信頼もあった。その田上がサヨナラ打。自らの打席を待つ間に仲間が決着をつけ、最後のリーグ戦の最終カードで大きな先勝を手にした。

 榊原はこの勝利を「チームが強くなってきている証拠」と受け止めた。「チームの底力というのは、簡単に身につくものではない。4年生はじめチーム全員が作り上げてきたものだと思います」。来季はそれぞれの道へ進む仲間と、今は同じ優勝を目指す。プロへの一歩を踏み出した4年生たちが、明大での最後の秋を戦っている。

(横井洸太 / Kota Yokoi)

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