通算162勝左腕がマイコラスの進化を指摘「カーブ向上」「踵の着地がソフト」
日本のファンの熱意が「マイルズを復活させ、野球にもっと感謝させた」
巨人で3年プレーした後、今季からメジャー復帰を果たしたカージナルスのマイルズ・マイコラス投手。復帰1年目で16勝4敗、防御率3.01の好成績で、カージナルス先発ローテの柱となった。日本へ向かう以前はパドレスとレンジャーズで泣かず飛ばずだった右腕だが、今季は球界屈指の先発投手となった。一体マイコラスに何があったのか??そんな疑問に答えているのが、ヤンキースやメッツで活躍した通算162勝左腕のアル・ライター氏だ。MLB公式テレビ局「MLBネットワーク」に出演し、マイコラスの投球フォームについて解説している。
まず、ライター氏が指摘するマイコラスの変化は「カーブ」だ。日本へ行く前は、90マイル台中盤の速球が持ち味だったが、「彼は日本でカーブを身につけたのです」と指摘。直球とスプリットの握りをするチェンジアップに加え、そのレパートリーにカーブが加わったことで「自信のある球を3つ持つことができ」、そのため先発投手として投球の幅が広がったという。
さらに、投球フォームの変化にも言及。パドレス時代のマイコラスは、マウンドで右足を踏み出す時に「大きく踵から着地していた」。だが、今季は踵をマウンドに突き刺さない「ソフトな着地になっている」という。その変化の要因は、アメリカに比べて柔らかい日本のマウンドにあると分析する。自身も1998年に日米野球のメンバーで来日し、「MLB代表として東京と福岡で投げたことがある」というライター氏は「土が違う。もっと柔らかくて変な感じがする」と指摘。日本の柔らかいマウンドでは踵を突き刺す形では、思うような体重移動ができず。「ソフトな着地」に変えたことで「身体の力がボールに伝わる」ようになったと話した。
ライター氏は「日本のファンのものすごい熱意を感じたこと」もまた、マイコラスを変えた要因だと話す。日米野球で「日本のファンはどんな試合であっても、野球を愛している」感じたといい、日本のファンの熱意こそが「マイルズを復活させ、野球にもっと感謝するように考え方を変えさせたのだと思います」と推察している。
日本での経験を糧に、今季は見事成功を収めたマイコラス。チームはプレーオフ進出を争うが、1つでも勝ち進み、また来季以降も同じ成功を収められるような投手であり続けたい。
(Full-Count編集部)