優勝を知るベテランと若い世代の融合 西武が圧倒的な強さを見せた理由
チーム総得点は2位に130差の771得点、辻監督「選手が助けてくれた」
万感の思いとともに、8度、宙に舞った。西武が30日、2018年のパ・リーグ優勝を決めた。マジック1として臨んだ日本ハム戦、試合には敗れたものの、マジックの対象チームだった2位のソフトバンクがロッテに敗戦したため、優勝が確定した。
「いやぁ……この日がいつ来るかと、思っていましたけど。選手たちは私のミスもあった中で助けてくれました」
就任2年目の辻発彦監督。胴上げのあと、感慨深そうに優勝監督インタビューに臨んだ。138試合目でのリーグ制覇。2008年以来、10年ぶり。多くのプロ野球OBがソフトバンクの連覇を疑わなかった今季、見事にそれを覆してみせた。
開幕から一度も首位の座を譲らずにゴールインした今年の西武。その強さの源は破壊力抜群の打線。チーム総得点は2位のソフトバンクの641得点を130点も上回る771点。外崎こそ9月上旬に負傷離脱のアクシデントがあったが、秋山、源田、浅村、山川、森と主力がシーズンを通して試合に出続け、大きなスランプもなく結果を残した。
打線の中心は4番・山川。いずれもリーグトップの46本塁打、121打点という驚異の数字を記録した。3番の浅村は120打点で山川とタイトル争いを繰り広げるなど、中軸で得点を量産。源田は7月に新人の開幕から221試合連続フルイニング出場というプロ野球記録を樹立。安打製造機の秋山は、チームトップの打率.321という数字も光るが、終盤では勝利を呼ぶ本塁打も印象的だった。
ベテラン陣も存在感を見せた。本塁打王6度の中村は、序盤こそ不振にあえいだが、8月にはパ・リーグタイ記録の6試合連続本塁打を放つなど復調。4番の座は山川に譲っているが、28本塁打はまだまだ衰えを感じさせない。栗山もシーズン終盤は5番に座り、勝負強さを発揮。「個々に能力を持った選手が多く、個性を伸ばしていけば、いい結果が出ると信じてやってきました」と、振り返った辻監督。2008年の優勝を知る35歳のベテラン陣と、若い世代の融合を成功させた。
就任1年目の昨季は2位。そこで礎を築き、2年目で栄冠を手にした辻監督。強力打線の勢いを殺すことなく、CS制覇、日本一へ一気に突っ走りたい。
(「パ・リーグ インサイト」編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)