ヤ軍第1戦先発ハップが自信示す、宿敵撃破へ「やるべきことを続ければ十分」
今季ヤ軍移籍後は11戦で無傷7勝、レッドソックスとも好相性
ヤンキース左腕J.A.ハップ投手が4日(日本時間5日)、翌日に控えたレッドソックスとの地区シリーズ第1戦に向け、自然体のピッチングを強調した。
ヤンキースとレッドソックスと言えば、ア・リーグ東地区で覇を競うライバル球団。長い歴史を持つ名門球団同士で、ファンは互いを“最大の敵”と考え、敵意をむき出しにする。レギュラーシーズン中の対決ですら、両軍を取り巻く緊張は張り詰めたものになるが、勝ち抜けが掛かったプレーオフでの対決となれば、なおさらのこと。それも、第7戦までもつれた末に延長11回でヤンキースがサヨナラ勝ちした2003年リーグ優勝決定シリーズ、ヤンキースの3連勝後にレッドソックスが4連勝で大逆転した2004年リーグ優勝決定シリーズ以来、プレーオフでの対戦は14年ぶりとなれば、盛り上がりは絶頂に達する。
そんな大注目の対決で、シリーズの流れを決めかねない第1戦の先発マウンドに上がるハップだが、前日会見では驚くまでに穏やかな表情を浮かべた。メジャー12年のベテラン左腕は、フィリーズ時代の2008年に世界一を経験。アストロズ、マリナーズでは長らく勝率5割を推移する先発と低迷したが、パイレーツ時代の2015年に開花のきっかけをつかみ、翌16年に移籍したブルージェイズで20勝4敗、防御率3.18とブレイク。今季はブルージェイズで10勝6敗、防御率4.18の成績を上げた後、トレード期限間際の7月26日にヤンキースに移籍した。
移籍後の活躍ぶりは桁外れだ。11戦に投げて無傷の7勝で防御率2.69。ブルージェイズ時代も含め、今季レッドソックス戦に4度先発し、1勝1敗、防御率1.99と圧巻の成績を残している。9月28日(同29日)の対戦では6回で4失点を喫したが、4戦を通じて自責点はわずか5。キャリア通算でも21試合(20先発)で8勝4敗、防御率2.98と好相性だ。
会見の冒頭でレッドソックス攻略法を質問されると「今話したら全く意味がないと思うんだけど(笑)」としながらも、「攻める姿勢と自分の持ち球を信じること、そしてやるべきことを続ければ、それで十分」と自信は揺るがない。アーロン・ブーン監督も「速球主体の左腕で内角を突き、さらに高低を上手く使える。右の強打者に抜群の制球で畳みかけられる。それが最大の強み」と破格の信頼だ。
「10月まで勝ち残るチャンスのあるチームにトレードされるのは望むところ」と静かなる闘志を燃やす35歳。ワイルドカードゲームでアスレチックスを撃破した勢いをつなぎ、地区シリーズ突破に向けて先手を打ちたい。
(Full-Count編集部)