無念のCS敗退を喫した西武 主力流出危機の今オフ、補うべきポイントは?
2桁勝利が3投手生まれるも、菊池の米球界挑戦で補強は必須
圧倒的な打力を武器に、開幕から一度も首位を譲ることなく、パ・リーグ優勝を果たした西武。しかし、「パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージで、ファーストステージを勝ち上がってきた2位ソフトバンクに2勝4敗。5戦合計44失点と投手陣が崩れ、無念のCS敗退が決定した。
ただ、ソフトバンクのCS突破を許した第5戦の後、辻監督が「来年にスタート」と語ったように、すでにチームの視線は新たなシーズンに向けられている。そこで今季の成績や移籍が予想される選手を紹介しながら、来季に向けた補強ポイントを分析してみたい。
【先発】
今井達也 15試合5勝5敗 78.2 回、65奪三振、45失点 防御率4.81
菊池雄星 23試合14勝4敗 163.2回、153奪三振、59失点 防御率3.08
多和田真三郎 26試合16勝5敗 172.2回、102奪三振、81失点 防御率3.81
十亀剣 22試合5勝8敗 124.1回、82奪三振、65失点 防御率4.42
榎田大樹 23試合11勝4敗 132.2回、98奪三振、53失点 防御率3.32
【救援】
増田達至 41試合2勝4敗 2ホールド 14セーブ 防御率5.17
野田昇吾 58試合1勝1敗 19ホールド 1セーブ 防御率3.51
平井克典 64試合3勝1敗 21ホールド 防御率3.40
マーティン 22試合2勝1敗 10ホールド 1セーブ 防御率2.08
小川龍也 15試合1勝0敗 4ホールド 防御率1.59
ヒース 42試合4勝1敗 9ホールド 13セーブ 防御率2.50
先発陣には最多勝の多和田をはじめ、3人の2桁勝利投手が生まれた。中でも3月に阪神からトレードで加入した榎田投手は、1年を通してローテーションの一角として活躍を続け、キャリアハイを大きく上回る11勝を記録した。
しかし、今オフ、エースの菊池はポスティングシステムを利用しての米球界挑戦が見込まれ、来季は大黒柱を失ってのスタートとなる可能性が高い。シーズン後半からローテーションに定着し、クライマックスシリーズでも先発した今井や、シーズン後半に復調気配を見せた高橋光成の飛躍にも期待したいところだが、先発投手の補強は急務となるだろう。
ドラフト候補には、大学球界屈指の右腕の東洋大・上茶谷や、大学時代の指名漏れから社会人屈指の右腕に成長したHonda・斎藤と、即戦力の先発投手が揃う。オリックス・山岡や、楽天・則本のように、1年目からローテーションを担うことのできる人材を確保したいところだ。
救援陣では、開幕から守護神を務めた増田が振るわず、シーズン中盤からは途中加入のヒースがその役割を担った。その他にも、中日から金銭トレードで加入し、左キラーとしてチームを支えた小川やセットアッパーとして活躍したマーティンなど、シーズン途中に加わったメンバーがブルペンを支えた。