ポストシーズンで鍵となる選手は?
レッドソックスの「毛深いハンマー」
世界一へのキーポイントは何か? 米全国紙USAトゥデーは、ポストシーズンを戦うチームの鍵となる要素を特集記事で紹介した。チームを躍進させるのは、スター選手の力や監督の手腕だけではない。意外な選手がワールドシリーズの立役者になることもあるかもしれない。
ア・リーグ最高勝率を誇るレッドソックスの注目は「毛深いハンマー」だ。今季、チームのムードメーカーとして大きな役割を担ったのが、顔中にヒゲを生やしたジョニー・ゴームズ、マイク・ナポリの2選手。いずれも新加入で、独特のルックスによって一体感を作り出してきた。どちらかがホームランを打つと、主砲のデビッド・オーティズがヒゲを引っ張って祝福するのがお決まりのパターン。その光景は必ずテレビに映し出された。チームワークの良さは、ポストシーズンに入っても大きな武器となるだろう。
ナ・リーグ東地区を制したブレーブスには、打線に大きな特徴がある。チームのシーズン181本塁打、1384三振はいずれもリーグトップなのだ。良くも悪くもフルスイングが持ち味と言える。
さらに、9月25日のブルワーズ戦では、相手のカルロス・ゴメスが本塁打を打った後、以前に死球を浴びていたことを理由にダイヤモンドを周りながら暴言を吐き続けたことから、ブレーブスナインが激怒。最後は捕手のブライアン・マッキャンが本塁前に立ちはだかり生還を許さず、大乱闘に発展し、最後は走塁妨害でホームインが認められる珍事があった。このチームの荒々しさが鍵となるか。
そのブレーブスと地区シリーズで対戦するドジャースは、今季はケガに苦しんだ主砲のマット・ケンプが左足首捻挫でポストシーズンを欠場する見込みだ。ただ、ドジャースの外野はアンドレ・イーシア、カール・クロフォード、新人のヤシエル・プイグと実力者の3人で埋めることが出来る。ドン・マッティングリー監督は「我々はマットなしで42勝8敗の成績を残した。勝ち抜くことは可能だ」と自信を漂わせている。主砲の不在がもたらす影響によって、チームの勢いも変わってくるだろう。
レッドソックスと並ぶア・リーグ優勝候補のタイガースは、スター選手の状態が気がかりだ。エースのジャスティン・バーランダーはシーズン13勝に終わり、本調子とは言えない。また、主砲のミゲル・カブレラは足の付け根や腰に不安を抱え、シーズン終盤に数字を落としたが、ジム・リーランド監督は試合勘が失われるのを恐れ、スタメンで出し続けた。これが吉と出るか、凶と出るか。
世界一に近いのは、この4チームとする声が多い。長所を生かし、短所を消して、頂点まで駆け上がれるだろうか。それぞれ特徴に注目して見てみても面白い。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count