米755発アーロン氏、投手の進化に驚き 160キロ超の剛速球「自分には打てない」

通算755本塁打の記録を持ち、野球殿堂入りしたMLBのレジェンド、ハンク・アーロン氏【写真:Getty Images】
通算755本塁打の記録を持ち、野球殿堂入りしたMLBのレジェンド、ハンク・アーロン氏【写真:Getty Images】

150キロが精一杯だった80年代、カットボールやスプリットも存在せず

 通算755本塁打の記録を持ち、野球殿堂入りしたMLBのレジェンド、ハンク・アーロン氏が、2010年代のMLBの投手たちに“白旗”を掲げた。

 アーロン氏は26日(日本時間27日)、優れた打者に与えられる2018年のハンク・アーロン賞を受賞したJD・マルティネス(レッドソックス)とクリスチャン・イエリッチ(ブルワーズ)を表彰するために、ワールドシリーズ第3戦が行われたロサンゼルスのドジャースタジアムを訪れた。米メディア「CBSスポーツ」公式サイトによると、その際、現代の投手たちの進化について驚きを語ったという。

 現在のメジャーでは、時速95マイル(約153キロ)を超える剛速球を持つ投手は珍しくない。1980年代に活躍したアーロン氏は「(通算660本塁打の)ウィリー・メイズに『僕たちが今プレーしていたら、多分クラスD(現在のルーキーリーグ相当)でプレーしているだろう』と言ったんだ。だって、僕たちは100マイル(約161キロ)の球の打ち方を知らないからね」と話し、野球の進化に目を丸くしたそうだ。

 今年のMLB全体の三振の数は過去最高を記録(3万9872個)したという。1980年代初頭、投手の速球は最速でも90マイル台半ば(約152キロ前後)ほどだったが、現在では100マイルを投げる投手も珍しくなくなった。さらに、記事ではカットボールやスプリットなど、当時存在しなかった変化球も登場していることも紹介し、アーロン氏がマルティネスが100マイルの球を打ち返す姿を見て、思わず「何てこった! 僕にはできないよ」と言ったと伝えている。

 記事では「1960年代に、ノア・シンダーガード(メッツ)のように101マイル(約162キロ)の速球と90マイル(約145キロ)のスライダーを投げる投手がいたら、簡単に防御率を1以下としていただろう」としており、近年、投手の技術と球速の向上が著しいことも紹介している。現在、ヤンキース守護神のアロルディス・チャップマンとカージナルスの新鋭、ジョーダン・ヒックスがすでに時速169キロをマーク。前人未到の時速170キロが出るのは時間の問題となっている。そして、大谷翔平も165キロの日本記録保持者。人間が出せる球速は、どこまで上がっていくのだろうか。

(Full-Count編集部)

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