ダルビッシュ有のメジャー最短降板にチームメイトも驚く 「想定外だった」
今夜はまったくダルビッシュらしくない夜だった
レンジャーズのダルビッシュ有投手が現地時間28日のアスレチックス戦で自身メジャー最短となる3回1/3で降板し、今季初の黒星を喫したことに関して、チームメイトも「想定外」と驚いている。ESPNが「ユウ ダルビッシュはいまだアスレチックスのヒッターを抑えられず」という見出しで4-0での完敗を特集している。
ダルビッシュはアスレチックス戦で通算9試合に先発し、1勝7敗で防御率4・73とかなり苦手にしている。この日は9番バッターのエリック・ソガード内野手に2度、四球による出塁を許したほか、デッドボールでピンチを広げる場面もあった。制球に苦しんだダルビッシュは4失点で自身メジャー最短となる降板となった。
“天敵”相手とはいえ、苦闘するエースの姿は同僚にも意外に映ったようだ。この日5回から登板し、無失点で抑えたレンジャーズの二ック・マルティネス投手は「今夜はまったくユウ ダルビッシュらしさのない夜だった。想定外だった」と話しているという。1試合の乱調で味方から「想定外」と言われるほど、ダルビッシュの信頼度はチーム内で群を抜いているということなのだろう。
一方、地元紙「ダラスモーニングスター」は「ダルビッシュは最も苦難を浴びている相手に攻略される」と見出しで報じた。アスレチックスのジョン・ジェイソ捕手は同紙の取材に対し、ダルビッシュ攻略法について「ストライクゾーンから外れるボールは追わなかった。彼はカウントが不利になることが多かった。その作戦が機能して、我々には有利に働いた」と説明している。
レンジャーズのロン・ワシントン監督は「あれ以上良くなるようには見えなかった。相手には規律正しいバッターがいる。どのボールを打つべきか分かっていて、そのボールを待っている」と相手打線の戦略性と実行能力の高さを認めている。
ダルビッシュは今季、1勝1敗で防御率は2・59。試合後、同紙の取材に対して通訳を介し、この日のピッチングで学んだことを次の対戦に生かす考えを示したという。巧緻な対策でダルビッシュを打ち込んだアスレチックス。レンジャーズのエース右腕には次回、“天敵”を抑え込む修正力に期待したい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count