4月の最優秀新人は逃したが、現地メディアの評価は依然トップクラス 新人王候補に挙げられる田中将大とそのライバルたち
田中にとって最大のライバルとなるホセ・アブレイユ
開幕から華々しい活躍を続けているヤンキースの田中将大投手(25)に対して、早くも新人王候補の声が上がり始めた。ただ、そのハードルは決して低くない。4月の月間最優秀新人は、田中と話題を二分しているホワイトソックスのホセ・アブレイユが受賞。
今年はルーキーらしからぬ成績を残している選手が多く、まだまだ先が読めない状況だ。つまり、田中の新人王もここからの活躍次第となっており、持ち味の安定感も重要な材料となりそうだ。候補に挙がってきそうな選手のここまでの成績を、あらためて検証してみよう。(成績は5月6日終了時点)
【田中将大(ヤンキース)】
6試合に登板して4勝無敗、防御率2・53。51奪三振、6四球、WHIP(1イニングあたりの安打+四球)0・96と数字はどれも高水準。すべての試合で6回以上を自責点3以内に抑えるクオリティー・スタート(QS)を達成している。これは、ア・リーグではアスレチックスのソニー・グレイと2人だけ。調子が悪くても必ず立て直し、ゲームを作る。新人らしからぬ安定感が光る。
すでにチームメートの信頼も勝ち取っており、コンビを組む捕手のブライアン・マッキャンは「あの落ち着きで25歳だとは信じられない。彼は先発ローテーションの1番手だ」と明言。辛辣で知られるニューヨークメディアからも絶賛がやまず、ニューヨーク・タイムズ紙は「サバシアと黒田が不調のため、現時点では田中がチームのエースだ」と持ち上げている。
【ホセ・アブレイユ(ホワイトソックス)】
田中にとっては間違いなく最大のライバルとなるキューバ出身の強打者だ。4月には10本塁打、32打点を記録したが、これはカージナルスでアルバート・プホルス(現エンゼルス)が記録した8本塁打、27打点を上回るルーキー新記録。田中と同じように新人らしからぬ活躍を続けている。4月は月間最優秀新人だけでなく、打者部門の月間MVPにも輝いていた。
5月に入ってからも成績を伸ばしており、さらに2本塁打、3打点を追加。打率こそ2割5分4厘となっているが、4月25日のレイズ戦ではサヨナラ満塁弾を放つなど、印象深い活躍も多い。昨オフに6年総額6800万ドル(約70億円)の大型契約でメジャーに乗り込んできた大砲の実力は本物だ。