森脇氏が見るプロ野球春季キャンプの今 各球団“一極集中”のメリットは?

いよいよ幕開け、プロ野球春季キャンプ

 2016年がスタートし早1か月が過ぎようとしている。プロ野球界にとっては2月1日の春季キャンプスタートが正月のようなものだ。各球団がシーズンを戦い抜く上で最も重要な1か月間といっても過言ではない。今回は昨年までオリックスの監督を務めていた野球評論家の森脇浩司氏に「プロ野球の春季キャンプ」について語ってもらった。

――各球団とも今季を戦う上での戦力補強はほぼ終了した。ドラフトで指名した新人、新外国人、主力選手の移籍など今季の布陣が固まり2月1日からは1軍入りをかけたサバイバルがスタートする。

「言うまでもなくやはり1年を占う意味でもキャンプは非常に重要です。1か月の期間は長くもあり、短くもある。今のプロ野球は主力選手の行き来が昔と違って多く、1年、1年で戦力構図は大きく変わる時代になりました。従って各チームの戦略も毎年のように変わりますね」

――現在は各球団のキャンプ地は宮崎、沖縄(日本ハムは今年から米アリゾナでキャンプ)に集中している。森脇氏は現役時代には近鉄、広島、ダイエー。さらに指導者になってからはダイエー、ソフトバンク、巨人、オリックスと様々なチームのキャンプを経験。キャンプ地が一極集中型となっている今の現状をどう見るのか。

「球団、選手、ファンにとってもメリットは非常にあると思いますね。同じ地域に集まることで練習試合などを含めて、お互いのレベルを上げるための交流ができる。施設面でもそうですが、離島では練習試合、オープン戦が組みにくい環境にある。1軍入りを狙う若い選手などは実戦でアピールする場を望んでいますから。

 さらに現場から見るとコストの削減にもなる。例えばスコアラーも一極に集まっている方が動きやすい。移動などの手間もそれほどかかりません。そしてファンの人は限られた時間でたくさんのチーム、選手たちを見ることができる。九州に集まっているのと、宮崎に集まっているのでは違いますからね。ですから、ある程度の環境、条件で、集まるべき所に集まっていると言えますね」

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