上原浩治が3連続三振で8セーブ目 圧巻の投球で地元メディアの“雑音”も完封!?
試合前には上原の不安を煽る記事も
レッドソックスの上原浩治投手(39)が本拠地でのレッズ戦で今季8セーブ目を挙げた。1点差の9回に登板すると、トッド・フレイジャーを見逃し、ブライアン・ペーニャを空振り、ライアン・ルドウィックを見逃しで三者三振に仕留める完璧な投球を披露。最近の登板では上原らしくない要素もあり、地元紙などでは不安を煽る記事も出ていたが、外野の声を一掃する快投だった。
上原の不安要素を指摘したのは、6日の地元紙プロビデンス・ジャーナルだった。現地時間4日のアスレチックス戦で同点の9回に登板した右腕は、ジョン・ジェイソにライト前へのヒットを浴び、続くデレク・ノリスには四球。ジョシュ・レディックをダブルプレーに仕留めて無失点で切り抜けたものの、1イニングだけで25球以上を要した。
この投球を受け、同紙は「上原のために、彼ら(レッドソックス)は当惑している」との書き出しで、記事を掲載。上原はその日までの直近5試合で4回2/3を投げたが、6安打2四球で2失点を喫していると指摘。被打率3割3分3厘、被長打率4割でストライク率62%は、確かに最強クローザーとしてはいい数字とは言えなかった。
実際に、開幕後の8試合では、上原は8イニングを投げて5安打1四球で無失点、被打率1割6分7厘、被長打率1割9分4厘と圧倒的な数字を残していた。その間のストライク率は74%。圧巻の投球を続けた2013年に近い数字だったという。
さらに、上原はこの原稿が掲載された直後の6日のレッズ戦でも苦戦。同点の9回に登板すると、先頭のザック・コザートに一塁内野安打を許した。次打者に犠打を決められ、バント安打などで2死1、3塁のピンチを作られたが、最後は好打者のジョーイ・ボットをサードフライに仕留めた。その後、チームは12回にサヨナラ勝ち。劇的勝利に貢献する無失点投球だったが、不安を解消するような投球ではなかった。
もっとも、ジョン・ファレル監督の絶大な信頼は少しも揺らいでいない。4月中旬に数試合の戦線離脱の原因となった右肩痛の影響が多少なりとも残っているとしながらも「我々は彼が昨年のようなレベルに戻ってくることに自信を持っている」と話している。
この日のレッズ戦で上原は13球中10球がストライクで、防御率1・23。しっかりと結果を出し、その信頼に応えた形だ。2年連続のワールドシリーズ制覇へ、この男の存在は絶対に欠かせない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count