プロ1号を放った巨人のドラフト1位・小林誠司 その活躍を支える高校時代の記憶
高校入学時点では投手だった小林
7日のDeNA戦。休養した正捕手・阿部慎之助捕手に代わり、日本生命からドラフト1位で巨人に入団した小林誠司捕手が、6点リードの7回に左中間席へ、うれしいプロ1号ホームランを放った。球団が企画した盛況の人気イベント「橙魂デー」では、来場者にオレンジのユニホームが配られる。左中間スタンドの、チームカラーであるオレンジが揺れる波の中に、打球は吸い込まれていった。
満塁ホームランを放ったレスリー・アンダーソンらとお立ち台に上がった小林は「入るか入らないかわかりませんでしたが、ファンの皆さんとチームの皆さんが打たせてくれたホームランでした」と喜びを語った。
小林は元々、捕手だったわけではない。広島の名門、広陵高校には投手として入学した。入部当時から同級生の野村祐輔(広島)の存在が刺激になっていた。小林の肩の強さを見抜いた中井哲之監督から2年生になる前のシーズンオフに「捕手をやれ」と命じられた時は、すぐには受け入れることができなかった。だが、高校トップクラスの投手、野村のボールを受けるうちに、捕手への魅力を感じ始めた。
巨人入りしてからは強肩に注目が集まり、打撃はそこまで力がある選手とは思われていなかった。しかしプロ1号本塁打で少しは警戒されていくだろう。高校3年の夏の広島県大会の決勝、総合技術高校戦では延長11回に決勝ホームランを放ち、2007年夏の甲子園の切符をつかんでいる。エースの野村は11回を1人で投げ切り、2人で優勝を分かち合った。