5月に入り好調の横浜DeNA チームを支えるルーキー右腕、三上朋也の存在
5月3日からの9連戦で6勝3敗
セ・リーグが5月3日の土曜日から11日の日曜日までゴールデンウイークを挟んだ9連戦を終えた。最も勝率が良かったのは横浜DeNA。6勝3敗という成績で、5月だけをみれば首位に立った。連戦は先発陣のやりくり、中継ぎの連投など、投手に負担がかかる。その中で横浜DeNAがこの成績を残せたのは、接戦を守り切れる投手が出てきたことが一つの要因と言えそうだ。
野球熱の高い横浜の地。スタジアムに集まったファンに中畑清監督は感謝していた。11日のヤクルトとのゲームは先制されるも、追いつき、最後は今季初となるサヨナラ勝ちを収めた。「球場全体の雰囲気が良く、熱く盛り上げてくれた。いい恩返しができたかもしれない」と興奮気味。4連勝で9連戦を終えた。
最近、試合を勝ち切れるようになったのは、法政大学、社会人野球のエネオスを経て、ドラフト4位で入団したルーキーの三上朋也投手が計算できるピッチャーとして、出てきたことが大きい。中畑監督もそれを認めている。セットアッパーのソーサの怪我、守護神・山口俊の不調もあって、中継ぎで結果を残してきた三上に中畑監督はクローザーという重責を背負わせたのだった。
ここまで18試合に登板し、失点、自責はたったの1。防御率は0・41だ。失点した試合は4月27日の阪神戦。同じく新人の梅野に本塁打をされたが、すぐに気持ちを切り替え、後続を断っている。首脳陣は精神的にも強い投手として、期待を寄せるようにもなった。
抑えとしての本格的な「デビュー」は5月6日、東京ドームでの巨人戦。1点リードの9回に登板。主砲の阿部慎之助ら巨人打線に対し、スリークオーターと上手投げを織り交ぜる変則投法で、果敢に攻めた。直球とスライダーが武器という長身右腕は柔軟な投球術と強心臓でこの試合でプロ初セーブを挙げた。
三上の直球は、打者の手元で微妙に変化するくせ球だという。その独特なフォームも影響している。9連戦では6試合に登板し、4セーブ1ホールド。11日こそ、走者を三塁に進めるピンチもあったが、安定感のある内容で、チームの勝利に貢献し続けている。
ルーキー右腕のクローザー起用とともに、DeNAの調子も上向いてきた。ただ、まだプロとして1年間戦ったことのない新人投手だけを頼ってはいけない。現有戦力の底上げが、今後の浮上のカギとなる。13日からは1ゲーム差に迫っている4位の中日と対戦。今後は上位にいる広島、巨人、阪神を追随したいところ。打線もつながりを見せ始めており、この勢いをどこまで続けられるかに注目だ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count