好投のダルビッシュに奇襲バントの相手打者は「バットで球を捉えられる気がしなかった」 敵将も「現在メジャーで5本の指に入る」と賛辞
唯一足りなかった打線の援護
レンジャーズのダルビッシュ有投手が、現地時間16日のブルージェイズ戦でも、また魅せた。8回を投げて5安打11奪三振2失点の好投。8回1死から2点を失ったものの、それまではあわやノーヒットノーランかと思われた9日のレッドソックス戦を彷彿とさせる快投劇を演じた。
地元紙ダラス・モーニング・ニュースが「ダルビッシュは仕事をしたが、打線が再び沈黙」と見出しを取ったように、唯一足りなかったのが打線の援護だ。
レンジャーズ主砲のプリンス・フィルダーは「見ての通り、自分たちのやりたいことができていない」と現状を嘆いた。「ユウは最高の仕事をしてくれた」と称えるワシントン監督も、「打線には実力ある選手が揃っている。彼らが仕事を成し遂げない限り、チームとしても仕事を成し遂げられない」と厳しい表情を浮かべた。
ダルビッシュと同様、ブルージェイズ先発ハッチソンも好投し、見応えのある投手戦となったこの日。先に突破口を見つけたのはブルージェイズ打線だった。
8回に奇襲バントを仕掛けたクラッツは「絶好調のダルビッシュを崩すには、何かしないといけない。バットで球を捉えられる気がしなかったから、バントを仕掛けたんだ」と話す。2本のバント安打と右翼線二塁打で失ったわずか2点が響いた。
それでも敵将のジョン・ギボンズ監督はダルビッシュに賛辞をおしまなかった。MLB公式サイトによれば、監督は「素晴らしい。彼はエリート投手。現在メジャーで5本の指に入るだろう。好投には好投で対峙しないと、長い夜を送るハメになってしまう」と話している。
この日、メジャー通算22度目となる2ケタ奪三振を記録するなど、ダルビッシュ自身の好調は続いている。あとは味方打線が活気づくまで、しばらく我慢の投球が続くことになりそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count