大谷翔平、2年後の二刀流成功の鍵は? エンゼルスOB長谷川滋利氏が語る課題
今季10試合に登板し4勝2敗&防御率3.31の大谷に「少しばかりの運も左右」
投打の二刀流で全米を沸かせ、ア・リーグ新人王に輝いたエンゼルスの大谷翔平投手。オリックス、マリナーズ、エンゼルスで日米通算102勝をマークした長谷川滋利氏は、二刀流ルーキーがメジャー1年目で活躍できた理由を語った。第1回は「投手・大谷」の凄さと、今後の可能性について。
シーズン後に靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けるなど、右肘のケガもあり投手としては10試合登板で4勝2敗、防御率3.31の成績を残した大谷。開幕前のオープン戦では防御率27.00と結果を残せなかったが、シーズンが始まれば見違えるような投球を見せた。
「これはシーズン全体の投球にも言えることですが、ピッチングを見ればまだまだ完成された投手ではないという感じを受けました。もちろん身長の高さからくる角度、100マイル(約161キロ)前後のスピードという素材的な要素でみれば素晴らしいものがあります。だから完成されてきたらMLBを代表するような投手になる要素を持っているので楽しみです。その彼が、今シーズンをうまくスタートできたのは、少しばかりの運も左右しました」
長谷川氏がターニングポイントとして挙げたのは、メジャー初登板となった4月1日(日本時間2日)のアスレチックス戦。打線の状態がいまいち上がらないアスレチックス打線に、試行錯誤の大谷は上手くマッチした。一発を浴びながらも6回3失点で初登板初勝利を手にしたことが今後に生きたという。
「周りも『大谷は大丈夫なの?』と懐疑的な見方をしていた中でまずまずの内容でも勝てた。オープン戦のようにメッタ打ちを食らって、その後も微妙な結果だったら少し起用法も変わってくる。僕自身はメジャーでの初登板はいきなりインディアンス(1997年にワールドシリーズ進出)だった。マニー・ラミレス、ゲーリー・シェフィールドらの凄い打線。そこで打たれて中継ぎをやることになりましたから。もちろん大谷投手と私の実力差はありますが、正直、運には恵まれなかった」