4連覇の巨人は若手育つも1軍の居場所は? 2018年イースタン成績を振り返る

イースタン・リーグで首位打者を獲得した巨人・松原聖弥【写真:Getty Images】
イースタン・リーグで首位打者を獲得した巨人・松原聖弥【写真:Getty Images】

巨人は2位に11.5差を付け断トツの1位、4連覇を達成

 NPBのファームの2018年を見ていこう。成績からはNPB各球団の様々な状況が見えてくる。若手の育成は勿論のこと中堅、ベテラン選手たちも1軍昇格に向け結果が求められる場所だ。

イースタン・リーグ、ペナントレースの結果

1巨人 118試73勝41敗4分 率.640
2ヤクルト 121試61勝52敗8分 率.540差11.5
3ロッテ 118試59勝54敗5分 率.522差13.5
4DeNA 115試53勝54敗8分 率.495差16.5
5楽天 119試52勝60敗7分 率.464差20
6西武 119試48勝64敗7分 率.429差24
7日本ハム 123試45勝68敗10分 率.398差27.5

 巨人が2位ヤクルトに11.5差をつけて圧勝。巨人のチーム打率.283、防御率3.02はともにリーグ1位。実力格差は大きい。今年だけでなく、近年の巨人はファームでは無敵だ。過去5年のイースタン・リーグ優勝チーム。

2014年ロッテ 108試64勝41敗3分 率.610
2015年巨人 116試59勝48敗9分 率.551
2016年巨人 121試70勝47敗4分 率.598
2017年巨人 125試74勝44敗7分 率.627
2018年巨人 118試73勝41敗4分 率.640

 巨人は4連覇中だ。しかも勝率は年々上がっている。

○打撃成績 規定打席以上の打率10傑

1松原聖弥(巨)117試424打134安0本42点24盗 率.316
2和田恋(巨)104試399打118安18本87点6盗 率.296
3村上宗隆(ヤ)98試365打105安17本70点16盗 率.288
4岩見雅紀(楽)113試338打96安14本42点1盗 率.284
5呉念庭(西)92試304打83安0本40点7盗 率.273
6三家和真(ロ)111試324打88安4本25点4盗 率.272
7安田尚憲(ロ)106試398打108安12本67点2盗 率.271
8北村拓己(巨)109試304打82安6本44点3盗 率.270
9平沼翔太(日)99試367打98安3本43点16盗 率.267
10宮本丈(ヤ)87試283打75安5本38点12盗 率.265

 巨人の松原が首位打者、2位の巨人・和田。和田は本塁打王、打点王、松原は最多安打。盗塁王は西武・鈴木将平(26盗塁)。ヤクルト・村上、楽天・岩見、ロッテ・安田、巨人・北村と、今月の台湾ウィンターリーグで活躍した顔ぶれが上位にいる。

○投手成績 規定投球回数以上は巨人の高田と日ハム吉田の2人なので、80イニング以上の防御率10傑を出した。

1石橋良太(楽)24試2勝6敗 0SV 83.2回 率2.58
2高田萌生(巨)21試11勝2敗 1SV 113.2回 率2.69
3大竹寛(巨)17試9勝4敗 0SV 94回 率2.97
4近藤弘樹(楽)16試5勝6敗 0SV 81.1回 率3.10
5寺島成輝(ヤ)20試7勝5敗 0SV 90回 率3.40
6高橋奎二(ヤ)17試8勝6敗 0SV 89.2回 率3.51
7安樂智大(楽)18試4勝4敗 0SV 91.2回 率4.03
8ロドリゲス(日)16試5勝5敗 0SV 88回 率4.09
9吉田侑樹(日)22試4勝12敗 1SV 122.2回 率4.11
10大江竜聖(巨)18試3勝7敗 0SV 90.1回 率4.58

 巨人、高田がリーグ最多勝の11勝。高田は規定投球回数以上の防御率、奪三振、完投数、勝率も1位。ファームながら先発投手のタイトルを総なめした。巨人ではベテランの大竹寛が9勝を挙げても目立つ。

○セーブ数5傑

1小野郁(楽)39試3勝3敗 20SV 38.2回 率1.86
2アダメス(巨)22試1勝1敗 13SV 23.2回 率2.66
3梅野雄吾(ヤ)32試1勝1敗 10SV 45.1回 率3.18
3須田幸太(De)24試3勝2敗 10SV 27.1回 率2.30
5白村明弘(日)42試1勝2敗 7SV 52.2回 率4.27
5阿部和成(ロ)35試1勝2敗 7SV 39.1回 率3.43

 楽天の小野が20セーブ、防御率1.86と好成績を残した。巨人のアダメスも13セーブ。ちなみにファームではホールドは公式記録になっていない。イースタン・リーグの成績を見ても巨人は若手選手の充実ぶりでは、間違いなくリーグ屈指だ。しかし、その若手が活躍の機会を生かし、層の厚い1軍に定着できるかどうか。大型補強を行った巨人でチャンスは生まれるのか注目だ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY