エンゼルスの今オフ補強に名物コラムニスト苦言「中途半端」「PO争いできない」
積極補強もAランク選手は獲得できず…
今オフはフリーエージェント(FA)市場から積極的に補強を行っているエンゼルスだが、その方針に米メディアから疑問の声が挙がっている。球界屈指のスーパースター、マイク・トラウトを擁しながらも、その“至宝”を無駄にしかねない球団の動きに苦言を呈しているのは、米スポーツ専門局「ESPN」公式サイトの名物コラムニスト、バスター・オルニー氏だ。記事では、Aランクとは言えないFA選手ばかり獲得する現状を「中途半端」と一刀両断している。
2002年にワールドシリーズ制覇した後、しばらく隆盛を誇っていたエンゼルスだが、最近10年では2度プレーオフ進出を果たしただけ。MVPを2度受賞した球界屈指の外野手トラウトを擁しながらの苦戦に、米メディアやファンからは「トラウトの才能を無駄にしている」という厳しい声も挙がっている。2020年のシーズン後にトラウトはFAとなるため、その前になんとかプレーオフ進出、ワールドシリーズ制覇を果たしたいと、チームは毎年オフに必死の補強を進めるが、ハマらないのが現状だ。
今オフは先発ローテ強化のために、近年苦戦の続くマット・ハービーとトレバー・ケーヒルを獲得。活発な補強に動いているが、周囲からの評価は低い。記事では、現時点での来季先発ローテはヒーニー、ハービー、スカッグス、ケーヒル、バリアもしくはトロピアーノだろうと予想。その上で「プレーオフ争いができるローテーションのようには思えない」と断言している。
トラウトがいる間になんとか……と模索する球団に対し、オルニー記者は2022年の優勝を目指すマリナーズのような思い切ったチーム再編成を提言している。「トラウトが勝ちたくて仕方ない」ことを理解しているのであれば、数年を再建期間に充て、「2019年にアストロズと優勝争いをするよりも、2022年にマリナーズと優勝争いをする方が勝てる可能性が高い」と指摘。また、球団の顔でもあるトラウトとの契約延長交渉に臨み、残留してもらうためにも、はっきりとした優勝に向けてのプランを作り、提示するべきだとした。
今季終了後に右肘手術を受けた大谷翔平投手は、2019年は打者に専念することが決定。打線はプホルス、トラウト、アップトンと合わせ、ある程度の得点力は見込まれるが、ここ数年課題となっている投手陣は、同地区ライバルと比較するとまだまだ手薄だ。「中途半端」という辛口評価を吹き飛ばすため、FA市場やトレード市場に残る一流選手を獲得できるのだろうか。ビリー・エプラーGMの手腕が問われることになる。
(Full-Count編集部)