マエケンVS金子のエース対決 勝利した金子千尋が光ったポイントは
5回まで毎回走者を背負いながらも要所を締める投球
セ・リーグを代表するエース、広島の前田健太(26)とパのエース・金子千尋(30)の注目の対戦となったオリックス対広島戦。オリックスの金子が8回7安打無失点で勝利投手となった。マエケンは7回5安打3失点(自責2)。金子の投打にわたる活躍でオリックスが3対1で勝利した。
打たれた安打数は金子の方が多かった。ほっともっと神戸のお立ち台に上がった金子は「この試合はすごく大事だと思っていた。自分自身、負けが先行するのが嫌だったので、初回から飛ばしていきました。ランナーを出した時にいかに0点に抑えるかを考えています。それができたと思います」。1回表も2人に四球を与えてピンチを作ったが、無失点。5回まで毎回走者を許した。それでもこの試合で3個も併殺を奪い、ピンチをしのいでいた。
先発投手にしかわからないことだが、100パーセントの状態でマウンドに上がれることはどの投手もほとんどないという。あのダルビッシュや田中将大でさえ、同じようなことを言っている。その中でいかにゲームを作っていくかが先発投手に求められるところ。金子は走者を出してからのコントロールが素晴らしかった。悪いながらも試合を支配していった。
オリックス2点リードの5回表のピッチングに目を向けてみたい。木村と石原に安打を許し、前田に送りバントを決められ、1アウト2、3塁のピンチを迎えた。ここからが真骨頂だ。
1番・梵にはカウント2ボール2ストライクから外角低めへチェンジアップを決めた。ストライクゾーンからボールになる変化球だったため、梵も手を出すしかなかった。打球はショートへのゴロに。
キレ味鋭い変化だったため、梵のバットは芯を外された。結果的にボールゾーンにバットを出したため、予想外のところにボールが当たり、バットを折られた。ボールはショートから本塁に転送され、1アウト。菊池には3ボールとなったが慌てることなく、コースをついて追い込み、最後は直球でファーストゴロに仕留めた。最大のピンチも走者を背負った後の集中力は見事だった。