DeNA筒香が野球未経験児童を対象に体験会開催「本当に子供たちが楽しそう」
野球離れを止めようと尽力「こういう活動が全国に広がるように」
DeNA筒香嘉智外野手が14日、大阪府堺市内で野球未経験児童を対象とした野球体験会を開催した。かつて自身も所属したボーイズリーグチームの堺ビッグボーイズで、昨年から小学生部門「アグレシーボ」のスーパーバイザーに就任。今回はアグレシーボ体験会という形で、参加した約80名の子供たちに野球の楽しさを伝えた。
第1部には4歳から6歳までの幼稚園児や保育園児が約40名、第2部には小学1年から3年までの約40名が参加した体験会では、筒香が冒頭に「今日は楽しんでいってください」と挨拶。まずは、筒香自身がプロになった今でも、何よりも大切にしているという体操の一部を伝授した。中学生の時から10年以上も欠かさず取り組んでいるのは、ブリッジを基本とした体の柔軟性や可動域を増すための体操。アグレシーボ小学部の球児たちが手本を示すと、参加した子供たちが挑戦。初めはできない子供も多かったが、根気よく繰り返すうちにできるようになる子供もいた。
続いて、ゲーム形式でボールを打ったり、取ったり、投げたり、さまざまな形で触れ合った子供たちは、終始笑顔のまま。子供たちにくまなく声を掛け、時には手を添えながらジェスチャーで手本を披露した筒香も、温かい眼差しを注ぎ続けた。
体験会の最後には、筒香がフリー打撃を披露。「ガンバレ! ガンバレ!」という声援に後押しされながら、ホームラン級の打球を連発させると、子供たちから「ウワァッ!」という大歓声が沸き上がった。
イベントの後で、野球の育成現場が抱える問題について言及した筒香は、現役選手ながら育成に関わる活動を続ける理由について「一番は子供たちへの思いが強い」と話す。体験会の開催を通じて「本当に子供たちが楽しそうにやっている姿を見ることができてよかった」と笑顔を浮かべると同時に、「育成の現場では罵声や暴言、暴力が当たり前になっているのが現実。過去はそれでよかったかもしれないけど、今は時代が明らかに変わっている。子供たちが野球に興味を持って入っても、その環境が将来のためにならない環境だったら意味がない」と、指導者や保護者の意識改革を促した。
今後も野球界の将来を考えながら、現役選手としてできる限りの活動に努めていくつもりだ。
(佐藤直子 / Naoko Sato)