2児のパパ、西武ドラ6森脇が初ブルペン 家族との絆、グラブに「心」と刻む理由
捕手を立たせて約25球も「あまり捕手を立たせて投げるのは好きじゃない」
西武のドラフト6位・森脇亮介投手が22日、西武第二球場で行われた新人合同自主トレで初めてブルペン入りし、捕手を立たせて約25球を投げ込んだ。
即戦力として期待のかかる右腕は「いつでも入れる状態ではあったけれど、ブルペンに入ってしまうと自分の性格的に(頻繁に)投げたくなってしまう」と周りのルーキーが続々とブルペンに入る様子を目の当たりにしても、はやる気持ちを自制してきた。
キャンプインを来週に控え、ようやくブルペン入り。身体の状態を確かめながら丁寧に投げ込んだ。小柄な森脇のピッチングはパワーよりも身体のバランスやリリースポイントが肝だ。アマ時代は直球と決め球のフォークで幾度とない修羅場を切り抜けてきた。
「あまり捕手を立たせて投げるのは好きじゃない。マウンドに立って、あの高さに投げることはほとんどないですから。次からはもう座ってもらおうかな」と話す表情には充実感がみなぎる。
2月1日から行われる春季キャンプでは1軍に相当するA班でのスタートが決定しているが、焦らず“我慢”の精神でアピールするつもりだ。「向こう(南郷)に行ったら、一線級の投手と一緒にブルペンに入ることもあると思う。その時に自分も力んでしまうと思うので、頑張って(力みを)止めて自分のペースを守っていきたい」と自分の調整を貫く。
ハードな練習を終えて自宅に帰れば2児のパパでもある森脇。「家族と一緒にいる時間が癒しです」と笑顔。プロ入りして新調したグローブには「心」という一文字の刺繍を入れてある。「心」、そして「心」と同じ意味を持つ、りっしんべんを用いて名付けた子どもたちを身近に感じたいという森脇に、夫人が刺繍を勧めたという。「自分も野球に対する心を大切にしたい」とはにかんだルーキー。真新しいグローブに光る家族の絆を胸に、プロの世界でも腕を振り続ける。
(安藤かなみ / Kanami Ando)