田中将大、世界一への最強ライバルとは? 「そこを乗り越えないと」
2014年の移籍以来、プレーオフ3度出場も地区優勝はゼロ「去年やられた思いは持っている」
メジャー6年目のシーズンに向け、9日に羽田空港から渡米したヤンキース田中将大投手。納得の仕上がりで充実の表情を浮かべる右腕は、「チャンピオンリングが獲れるように頑張ります」と力強く言い切って旅立った。渡米前に行われた記者会見で、早くも闘志を覗かせたのが同地区ライバル、レッドソックスの話題になった時だ。
ヤンキースにとってレッドソックスはア・リーグ東地区で覇を競う永遠のライバルだ。昨季、ヤンキースは100勝62敗の好成績だったが、レッドソックスの108勝54敗に一歩及ばず、地区2位に甘んじた。さらに、両軍はプレーオフ地区シリーズで対決したが、ヤンキースは1勝3敗で敗退。一方のレッドソックスは快進撃を続け、ワールドシリーズ制覇を果たした。シーズン中の対戦成績はヤンキースの9勝10敗。ほぼ互角ではあったものの黒星が先行した。
田中自身も相性が悪かった。昨季はレッドソックス戦で4度先発し、1勝0敗ながら防御率は7.58。投球回はわずか19イニングにしか達しなかった。最も多い6被弾を許し、被打率.345と打たれた。地区シリーズでこそ、5回を3安打1失点とし、チーム唯一の白星をもたらしたが、悔しさばかりが募る。最大の目標でもあるワールドシリーズ優勝を果たすためには「そこを乗り越えていかないと」と力を込める。
「結果はもちろんですけど、あれだけ強いチームが同地区にいるわけなんで、そこを乗り越えていかないとワールドシリーズっていうところは、もちろんない。まず、長いシーズンを1位でまだ終わったこともないから、そこを乗り越えていかないとっていう思いは、僕はもちろん強いですし、チーム全体で去年はやられたっていう思いを持っていると思う。そこに関する思いは、みんな強いんじゃないかなと想像します」
2014年に田中が移籍して以来、ヤンキースはレギュラーシーズンは地区2位が4回、4位が1回で、地区優勝はない。5年で3度プレーオフに出場しているが、いずれもワイルドカード枠での出場で、最近は2年連続でレッドソックスの後塵を拝する形となっている。元々ア・リーグ東地区は強豪ひしめく激戦区で、2位に入ればワイルドカードでのプレーオフ出場はほぼ確実だが、地区優勝を果たしていない事実は田中にとって胸のつかえになっているようだ。
6度目の渡米に際し、「なんか自分の家に帰るじゃないけど、そういう感覚もあるし、異国の地に飛んでいくだけの感覚ではないです。生活のリズムとかもあるし、落ち着く場所の1つではあります」と話すなど、すっかり米国そしてメジャーが“居場所”となった。例年以上に仕上がりが早いという今季。まずはレッドソックスを制し、地区を制して、悲願のワールドシリーズ優勝を掴み取りたい。
(Full-Count編集部)