SB千賀、あと1人で初完封逃すも2勝目 ウイニングボール「戒めとして」飾る
ホークス期待の23歳右腕がプロ初完投
ソフトバンクの23歳右腕・千賀滉大投手が13日の西武戦(県営大宮)でプロ初完投勝利を飾った。9回2アウトまで西武打線を無得点に抑えていたが、あと1人のところで失点し、9回6安打1失点。初完封はお預けとなった。
この日の135球目だった。5-0の9回2アウト。走者を一塁に置いて、バッターは西武の秋山。完封は目前だったが、直球を右中間に運ばれた。一塁走者が生還。打者走者は三塁を狙うがタッチアウト。試合は終わった。
9回を投げ切った喜びと同時に、それ以上の悔しさがこみ上げた。試合後のヒーローインタビュー。育成選手から這い上がり、中継ぎを経験して、先発ローテの座をつかんだ不屈の男だが、「そういう人なんだな僕は、と思いました」と自分の勝負運の“持ってなさ”を嘆いた。「中継ぎを経験して僕も分かることなのですが、(リリーフ陣を)休ませることができてよかった。ですけど最後は……、次、頑張ります」と気持ちを切り替えようと必死だった。
初回から制球が良いとは言えない投球だった。5つの四球を与えたが一方で三振も10個奪った。「捕手の高谷さんがひっぱってくださいましたし、野手のファインプレーもたくさんあったので感謝してます」と一塁の内川らの好捕にも助けられ、西武打線を封じ込んでいった。
今季5年ぶりに復帰した和田が3戦目にして初勝利を挙げ、2軍戦では松坂が登板できる目処もたってきたという。好投手が揃うソフトバンクで若き右腕がしっかりと仕事を果たしている。「本当にたくさんの人(先発投手)がいます。少しでもダメなピッチングだったら、代わりはたくさんいるので、本当に一生懸命投げています」と好投にも気を緩めることはしない。初完封を逃したウイニングボールは「自分への戒めとしてちゃんと飾っておきます」と初完封するその日まで、そばに置いておくつもりだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count