力投の黒田博樹を見殺しにしたヤンキース打線は過去40年で球団史上最低の勝負弱さ!?
得点圏で17打数1安打だったヤンキース打線
ヤンキースが8日(日本時間9日)のロイヤルズ戦でチーム史上に残る勝負弱さで7回2失点と好投した黒田博樹投手を見殺したことが話題となっている。ESPNが「ヤンクスが日曜日の打席で歴史的に的外れ」との見出しで報じた。
1-2と1点差で敗れた試合後、今季限りで引退を表明しているデレク・ジーター遊撃手は地元メディアからこんな質問を受けたという。
「スコアリングポジションにランナーを置いた打席でヤンキースはわずかに17打数1安打って知っていますか」
この日4打数ノーヒットに終わった主将は「いや。知らなかった。ありがとう」と淡々と答えたという。
ヤンキースはイチローのショートゴロの間に、ヤンガービス・ソラルテが生還した6回表の1点がこの日唯一の得点だった。それ以外はヤンキース打線は得点機をことごとく潰した。9回2死の場面もイチロー外野手が3塁で同点のチャンスをうかがっていたが、ブレット・ガードナー外野手が三振に倒れている
ロイヤルズ戦では得点圏で17打数1安打。ESPNのStats&Informationによると、これは過去40年間で球団史上最低の数字だという。このデータからも、高給取りの多い打線がいかに好投の黒田を援護できなかったかが分かる。
ジョー・ジラルディ監督は「分からない。何とか対策を見つけなければいけない。得点するチャンスは山のようにある。2アウトになる前に3塁に走者がいるチャンスもあった。クロダの最高のパフォーマンスがあったのに、我々は何もできなかった」とコメントしている。
地元紙「ニューヨーク・ポスト」も「ヤンキースはチャンスで失速。ロイヤルズに2-1で敗れる」との大見出しで特集。「ヤンキースの打線を仕留める最良の方法は? それは2塁と3塁に走者を置くことだ」と記事で痛烈に批判している。
同紙はここ6試合のヤンキース打線の得点圏打率を紹介。54打数10安打で1割8分5厘だという。チーム史上に残るほどチャンスに弱い打線の奮起がなければ、この日の黒田のみならず、田中将大投手の好投も無駄になる日がやってくるかもしれない。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count