開幕前の優勝候補球団が極度の不振に呪術師を招聘!? 試合は完封負けでここ14戦で13敗目を喫する
ここ13試合で1勝12敗という危機的状況にあるレイズ
ア・リーグ東地区で開幕前に優勝候補筆頭と目されながら、最下位に低迷するレイズがスランプ脱出の秘策として呪術師を招聘するという奇策に出た。地元紙タンパ・トリビューンが報じている。
レイズは2012年のサイ・ヤング賞に輝いたエース、デビッド・プライス投手を擁しながらも、深刻な不振に苦しんでいる。チームを率いるジョー・マドン監督は勝利のために一風変わった手法を取り入れることで有名で、かつては不振脱出のためにペンギンやマジシャンをクラブハウスに連れてきて、チームの雰囲気を明るくしたこともあった。
そして、13試合で1勝12敗という危機的状況で迎えた9日(日本時間10日)のマリナーズ戦では、アメリカ先住民セミノール族の呪術師ボビー・ヘンリー氏に頼ったという。77歳のヘンリー氏はタンパ近郊に45年間在住しており、魔術で雨を降らせる「レインメーカー」として地元では伝説的な存在で、指揮官は試合前の本拠地トロピカーナ・フィールドに招聘した。
「この人こそが1980年代中頃にタンパに雨を降らせた、超自然的な力の持ち主だと思う。もしもスタジアムに雨が降れば、すごく印象的だ。これまでに最高の瞬間になるんじゃないか」
マドン監督はこう語り、対戦相手に対する呪いなどの類いではないことを強調していたという。
呪術師は9日に球場に到着し、スタジアムの周りを歩き回った。クラブハウスやレイズのダグアウトでリラックスした様子だったという。「このスタジアムは……、さほど悪くない。周囲を歩いたが、そこまで酷い状況とは思わなかった。我々は常に心を開いて、鍵を開けて、邪悪な魂を追い出すのだ」とヘンリー氏は語っている。
13戦12敗の不振のチームに対してのまじないの内容についての質問には、秘密のままに留めた呪術師だが、「どんな効果が起こるかみてみよう。ジョー(監督)には日曜日にまた戻ると伝えた」と話したという。
だが、この日は期待されたヘンリー氏の神通力も空しく、レイズはマリナーズに0-3負け。プライスの8回10奪三振3失点の力投も報われず、ここ14戦で13敗目と状況は好転しなかった。レイズは先発ピッチャーの故障などが響き、24勝41敗。ア・リーグ東地区首位ブルージェイズとは15ゲーム差に広がった。そして勝率はメジャー全体でも最下位となっている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count