タイガースに敗れたアスレチックスのファンが画策した“秘策”とは?
バーランダーを打ち崩すための“秘策”
とっておきの“秘策”も実らなかった。アスレチックスは地区シリーズ第5戦でタイガースに敗れ、昨年に続いて同じ舞台で同じ相手に屈した。決戦をモノにしようと本拠地のオー・ドットコー・コロシアムは4万6959人の大観衆で埋めつくされたが、わずかに及ばなかった。
タイガースの先発はメジャー屈指の剛腕ジャスティン・バーランダー。5日の第2戦でアスレチックスは1-0でサヨナラ勝ちしたものの、打線は右腕に7回まで4安打11三振と抑え込まれた。最強の相手を倒すために、ある地元ファンが考えたのが「ケイト・アップトン大作戦」。米全国紙USAトゥデーは、この様子を写真付きで詳しく伝えている。
ケイト・アップトンはアメリカで人気の21歳のモデル兼女優。実は以前、バーランダーとの熱愛が報じられたことがある。ただ、すでに破局したとされており、アスレチックスファンはここに目を付けた。アップトンの顔の写真をデカデカと印刷したボードを掲げ、試合前の打撃練習中にタイガースが使う一塁側ダッグアウトの真上に陣取った。右腕の動揺を誘う作戦だったようだ。
同紙によると、最大の問題は、2人が交際を公に認めたことはなく、バーランダーの視界に入ったからといって、どれほどのインパクトを与えられたか分からない点だという。ただ、その上で右腕の心境をこう推測している。「オー! ケイト! 彼女は私の心を傷つけた。私はどうやって投げることが出来るのだ?」と思ったか、もしくは「成就はしなかったけど、私が美しい時間を共有し、懐かしい思い出になっている女性の写真を、彼らが見せてくれている」と感じたのではないかという。
しかし、実際にはバーランダーは5回までアスレチックス打線をパーフェクトに抑える快投。6回に四球で初めての走者を出し、7回に初ヒットを許したものの、8回2安打無失点10奪三振という快投でチームをリーグ優勝決定シリーズに導いた。アスレチックスファンのひそかな抵抗は、あまり効果がなかったようだ。
アップトンは、2011年に雑誌のスポーツ・イラストレイテッド水着特集号に初登場してルーキー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、翌2012年には同じ水着特集号で表紙に抜擢されたことで知られている。同紙は、バーランダーは勝つことだけに集中していて、たとえアスレチックスがスポーツ・イラストレイテッドのアップトンの水着写真でアッパーデッキ全体を覆っていても、気付かなかっただろうと結論づけている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count