広島・新井が4番の“意地打” 「皆さんが喜んでくれているのがうれしい」
2000安打迫るもチームのために――、今季初の4番で大仕事
試合を決める痛烈な一打が広島・新井のバットから飛び出した。
19日のDeNA戦、4-4の延長12回。1アウトから1番田中、2番菊池、3番丸の連続安打で満塁。後輩たちがお膳立て。ここで打たなければ男じゃない――。この日6度目のバッターボックスで男は燃えた。
「みんながつないで、つないでくれたのでなんとか返したいと思っていました」
マウンド上のDeNA7番手のペトリックから放った打球はライト前へ弾んだ。三塁走者の田中が生還。続く菊池が忍者のように、捕手のタッチをかいくぐって、好走塁でホームイン。大きな大きな2得点となった。
「本当にいい結果、勝ててよかったです。最高です。最後まであきらめない、みんなその気持ちで戦いました」
ヒーローインタビューに答えた新井は胸を張った。
開幕から4番に入っていたルナが右太ももの違和感で登録抹消になり、この日は今季初めて4番に入った。しかし、2三振など振るわず、5度の打席でノーヒットに終わっていた。
試合は決め手を欠き、延長戦に突入。午後10時をまわり、鳴り物の応援がなくなったが、広島ファンの熱い応援は耳に届いていた。「今日も遅くまでこんなに残って声援くださって、ありがとうございます。試合に勝って、皆さんが喜んでくれてるのは僕もうれしいです」とマイク越しに大きく叫び、ファンへ感謝した。
これで名球会入りへの2000本安打まであと7本になったが、新井は自分のことよりもチームのためファンのためにヒットを積み重ねていく覚悟だ。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count