柳田、際どい球にも冷静対応 王氏に並ぶ日本タイ記録も「何も考えてない」
決勝の押し出しで18試合連続四球、本人は「勝ったのが一番」
ソフトバンク・柳田が19日のロッテ戦(QVCマリン)で“勝利への貢献”とともに「世界の王」に並んだ。
1970年に王貞治・球団会長が記録した18試合連続四球のプロ野球記録に並ぶか注目された一戦。なんと8回1死満塁で、石川をリリーフした松永から決勝点となる押し出し四球を選び、記録に到達した。それもロッテとの首位攻防の1点勝負の中でチームを首位に押し上げる貴重な四球となった。
それでも本人は「(記録は)何も考えてない。今日はチームが勝ったのが一番。いい場面で選べた」と王会長に並んだことに興奮した様子はなく、その直前に四球を選んだ福田、右前打で満塁をお膳立てしてくれた今宮らに感謝した。
ロッテ2番手の松永はストレートを4球続け、3-1からの5球目もコーナー一杯に見えたが「頭を整理して冷静にいこうと思った」。チームの勝利を最優先に考える姿勢により際どい球にもクールに反応できた。
指揮官もそこが嬉しかった。「うちは誰か一人が打ってヒーローになるチームじゃなくて、みんなでつないで勝っていくチーム。次に次にと、繋げてチャンスを広げてくれるのは有難い。連勝よりはまず(同一カードに)勝ち越すこと。1試合、1試合、全力でぶつかっていく。積み重ねです」。まさにこの日の四球に象徴されるような、地道なプレーの積み重ねこそが勝利のカギ。工藤監督は柳田がその手本を示してくれたことに、連覇への大きな手応えを感じていた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count