生まれ変わるチームの象徴に― オリックス23歳の正捕手が見せる「自覚」
主力が大量に抜け投手陣も若返るオリックス「不安はもちろんあります」
新生オリックスの正捕手を任される若月健矢。各年代で日本代表に選出されてきた実力者である。選手会長にも就任。自覚と責任を持ちチームを引っ張る。
「柱だった投手が抜けて、投手陣は大きく若手にチェンジする。正直、不安はもちろんあります」
偽りない本音であろう。今、オリックスは大きな転換期を迎えている。中島宏之(巨人)、小谷野栄一(引退)、金子弌大(日本ハム)、西勇輝(阪神)ら、チームを支えてきた投打の中心選手がいなくなった。とくに投手陣は大きく変わるが、それを支える役目を担っているのが若月だ。
「潜在能力が高くて良い投手が多い。だから楽しみも多い。どういう投手か知るためには、ボールを受けて、どんどん実戦も重ねないといけない。だからこそ今から1つずつやれることをやらないといけないと思う」
埼玉・花咲徳栄高時代には、2013年のU-18日本代表でW杯準優勝。14年には侍ジャパンU-21代表、2017年には“フル代表”と常に日本代表に選ばれてきた。持ち味は強肩に加え正確な送球、そして小学生の頃から守ってきた捕手としての経験値だろうか。
オリックスの鈴木郁洋バッテリーコーチは「打者の反応もよく見られるし、もともと抑える感覚を持っている。何回教えてもできない子もいるそういう感覚を、プロに入ってきた時から持っていた。観察も鋭いしね」と語る。
「現状の課題はキャッチング。数字を出してもらって課題を探りながら取り組んでいますね。送球に関しては本当に安定している。練習から素晴らしい送球をしているので、しっかり調整しているのがわかる。もともと真面目な選手だし着実に成長しています」