日ハム栗山監督、選手への気遣いが生む求心力 55歳バースデー勝利の意味
復帰戦で白星を挙げた有原への“お願い”は「一切無視しろ」
日本ハムの栗山英樹監督が26日、バースデー白星を挙げた。
この日の楽天戦(札幌ドーム)が55歳の誕生日。先発の有原が8回3安打1失点と好投。打っては西川の勝ち越し適時三塁打に中島のスクイズなどを絡めて3得点。3-1で逃げ切り、借金を1とした。勝利の裏には栗山監督流の気遣いがあった。
この日の先発は昨年パ・リーグ新人王に輝いた有原。開幕2連勝を飾った後の5日に腰椎捻挫を発症。7日から2軍調整となった。開幕投手の大谷が勝ち星を挙げられず、ブルペン陣の整備に苦しむ中、チームには大打撃だった。
開幕直後の主戦投手の離脱―。だが、栗山監督は、有原に変な気遣いをさせることを恐れていた。球界では2軍から昇格したばかりの選手が試合前練習で首脳陣へあいさつへ出向くことは通例。それでも、栗山監督は有原へ1軍合流前から関係者を通じて“お願い”をしていた。
「有原が向こう(2軍)にいる時から、『(監督を)一切無視しろ。あいさつに来なくていい』と言ってきた。そういうところで気を遣わなくていい。そういうのもいいよね。有原は、しっかり準備して、集中して、投げきった。有原は本当に素晴らしかった。魂を感じる投球だった」