オフシーズンの主役は「タナカ」こと田中将大

ヤンキースが「タナカ」を欲しがる理由

 今オフの主役は、やはり「タナカ」だ。米紙ニューヨーク・ポストは、ヤンキースが獲得を目指す楽天・田中将大の特集記事を組んだ。10日の記事でポスティング・システムになれば落札に6000万ドル(約59億円)が必要だと報じ、日本のメディアからも大々的に取り上げられた同紙。この時の記事と重なる部分は多いものの、今回は「ヤンキースが日本のスターを獲得したがるたくさんの理由」と題し、少し踏み込んだ内容となっている。

 まずは、24歳という若さに注目。これは、今季メジャーデビューを果たし、9勝7敗、防御率3・22で新人王候補に挙げられるクリス・アーチャーよりも5週間若いとしている。メジャーのドラフトは完全ウェーバー制のため、常勝軍団のヤンキースが上位20人を指名することは、ほとんど出来ない。つまり、この年齢でこのレベルに達する投手を獲得することはほぼ不可能だというのだ。しかも、全盛期はまだこれからだ。

「お金」の面でもメリットは多い。ポスティング・システムでの移籍となるため、仮に現行の制度が維持された場合は、交渉権を獲得した1チームとしか交渉できなくなる。競争がないために、実際の価値よりも低い年俸で契約が可能だ。しかも、ポスティングの落札額自体は年俸とは別物。つまり、いわゆる「ぜいたく税」と呼ばれる選手の総年俸に対する課徴金には影響がない。

 そして、話題性も十分。チケットの売り上げが伸びることも期待できる。ファンは、楽天で24勝無敗の成績を残し、チームを優勝に導いた投手に興味を持たないわけがないという。

 もちろん、ヤンキースが交渉権を獲得できると決まったわけではない。エンゼルス、ドジャースとロサンゼルスに本拠に置く2チームは、十分な資金もあることから、獲得に動くとされている。レッドソックス、レンジャーズ、ジャイアンツ、ダイヤモンドバックス、ブルージェイズもライバルとなりそうだ。

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