イチロー、試合後に送球受けた三塁手と爆笑掛け合い 「ツーバウンド?」
3回の守備でレーザービームを披露したイチローが試合後に三塁手と“掛け合い漫才”
マリナーズは18日、東京ドームで行われた「2019 MGM MLB 開幕戦 プレシーズンゲーム」(東京ドーム)巨人戦を6-5で勝利した。「9番・右翼」でスタメン出場したイチロー外野手は3打席無安打に終わり、オープン戦から24打席連続ノーヒットとなったが、3回の守備でレーザービームを発動。ストライクスローをキャッチしたリオン・ヒーリー内野手と試合後に大爆笑の“掛け合い漫才”を披露した。
快音は響かなくても、肩で東京ドームを魅了した。無死二塁から田中俊のライトフライを捕球すると、その場から三塁へレーザービームを炸裂。ボールは三塁ベースカバーに入ったヒーリーのグラブに完璧に収まったストライク送球を披露。二塁から三塁を狙う素振りを見せたゲレーロも帰塁。涼しい顔を浮かべたイチローだが、巨人の原監督も拍手を送るほどのスーパースローだった。
グラブをほとんど動かさずパーフェクトスローを受け取ったヒーリーもその瞬間、白い歯をこぼしていた。試合後には「イェー! あれはクールだ。本当にクールだったね。スタジアム全体が一瞬止まって、ワオって感じで盛り上がって。あれは楽しい瞬間だったよ。間違いない」と興奮冷めやらぬ様子でレーザービームを振り返っていた。
「(ゲレーロが)あのまま走っていたら、彼はアウトだった。間違いない」と、ヒーリーが報道陣に力説しているところに、「ヘイ! 変なこと話すなよ」と背後から英語が鳴り響いた。荷物を取りにロッカールームにイチローが戻ってきたのだった。
記者から「(ノーバウンドとワンバウンド)どっちを予想しましたか?」と質問が飛ぶと「フィーリング次第だね。彼の調子がいいときはダイレクトで投げてくる。疲れているときはワンバウンドか、ツーバウンドかな」とヒーリーが茶目っ気たっぷりに回答。すると、「ツーバウンド?」とイチローは横目で突っかかる。
「芝ですごく減速するからさ」とヒーリーは言い訳すると笑いの渦が広がった。ダグアウトに戻ってからの会話についての質問を受けたヒーリーは「何も言ってないよ。予想通りだからね。グッドジョブとでもいうべきだったかな」と回答すると、イチローは「お前がどうでもいいなら、こっちもどうでもいいわ」と絶妙な切り返しを披露。英語での息ぴったりの漫才に二人は囲んだ記者を爆笑の渦に巻き込んだ。
「イチ、やっとオレが主役になれたのに、それを奪いやがって」と笑いながら噛みついていたヒーリー。最高のムードでイチローとその仲間たちは前哨戦を終えていた。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)