オリ時代の恩師・新井宏昌コーチが語るイチロー「1言うと100分かる感性の良さ」

イチローについて語ったソフトバンク・新井宏昌コーチ【写真:福谷佑介】
イチローについて語ったソフトバンク・新井宏昌コーチ【写真:福谷佑介】

イチローが飛躍を遂げた1994年からオリックスの打撃コーチを務めた新井コーチ

 ソフトバンクの新井宏昌2軍打撃コーチが22日、21日のアスレチックス戦後に現役引退を表明したマリナーズのイチロー外野手について語った。

 イチローがシーズン210安打を達成し、一躍脚光を浴びることになった1994年からオリックスで打撃コーチを務めた新井コーチ。この日、ウエスタンリーグ阪神戦の試合前にタマホームスタジアム筑後で取材に応じ「驚いています。この冬、自主トレで練習を見ていました、辞めるなんて想像がつかなかった。驚いています」と引退に率直に驚いた様子だった。

 引退はテレビで知ったといい「今年のスプリングトレーニングで思うようなバッティングができなかったのがキッカケだったんだろうと思います。彼のバッティングはバットコントロールがいいですが、思うようなバットコントロールができず、そんな自分自身が許せなかったんじゃないかと思います」と“愛弟子”イチローの心情を慮った。

 若かりし頃の選手としてのイチローについて問われた同コーチ。「一度言うと、1言うと100分かる感性の良さを感じる選手だった。二度と同じこと監督に言わせることがない選手でした」と語り「仰木監督が、あまりに打ち過ぎるので試合が決まるとワザと当てられるんじゃないかと心配して『次の打席立たなくていいか聞いてこい」と。それで聞きに行くと『行きます』と言って、ヒットを打ってくる。そういう凄さですね。怖さを感じない、打席に立ってヒットを打ちたいという思いの強い選手ですね」とオリックス時代のエピソードを明かした。

「こちらは朝が早く、向こうは夜遅かったと思うので、このあと今日中にメールしてみようと思います。たくさんいいものをみせてもらった。彼との出逢えて良かった。感謝したい。凄い選手だったというのしか思いつかない」と語った新井コーチ。教え子の引退の知らせを惜しんでいた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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