広島、「ベテランの域」天谷がサヨナラ打 緒方監督「活躍してもらわないと」
今季初のサヨナラ勝ち、打率1割台で「ストライクが来ると割り切っていった」
広島は19日、マツダスタジアムで行われたヤクルト戦に7-6で勝利した。延長10回、今季初のサヨナラ勝ちを決めたのは、途中出場のベテランの一打だった。
6-6で迎えた延長10回、1死一、二塁の場面で天谷がレフトの頭上を越えるサヨナラ打を放った。天谷は「打席に入る前に打率(.196)を見て笑ってしまいそうになった。この状態なら、悔いのないよう思い切っていこうと思った」と、冗談交じりに殊勲打を振り返った。
「石井コーチにバッティング練習のつもりで行ってみろ、と言われた」という打席で、フルカウントからの一打は左翼線を破った。「カウント3-1の時に強振しすぎてファールになってしまった。フルカウントになって、相手は満塁で田中や菊池には絶対回したくないだろうと思ったので、ストライクが来ると割り切っていった」というひと振りが、シーソーゲームに決着をつけた。
緒方監督は「今日はチーム全員で、執念で勝った試合。一番は天谷だね」と笑顔を見せた。出場機会が少ない天谷の活躍に「自分では中堅と言っているけど、もうベテランの域に入っている選手。新井だけじゃなく、松山や小窪も含めて、そのぐらいの年代の選手が活躍してもらわないと」と、戦力の底上げに期待した。
天谷も「若い選手やピッチャーも頑張ってしっかり投げていた。なんとかやらないといけないと感じた」とチーム全体での勝利を強調し、最後は「また明日、一からのつもりで頑張りたい」と気持ちを切り替えていた。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo