「いちろうみたいに…」ー西武秋山が抱く45歳レジェンドへの思いとは
イチロー"引退試合”を自費観戦「打席に入る時、守備に就く時、声援の応え方…選手として必要」
西武の秋山翔吾外野手が21日のアスレチックス戦後に現役引退したマリナーズ・イチロー外野手への思いを語った。
「やきゅうせんしゅになりたいです。いちろうみたいに ひっとをうちたいです」
秋山が幼稚園の卒業文集にこう記したのは1995年。オリックス・イチローがシーズン200本安打達成というそれまで誰もなし得なかった偉業を達成した翌年だ。小学校進学を控えた6歳の秋山少年にも強烈なインパクトが残っていた。
「試合自体を見るような機会はなかったですよ。特にパ・リーグ。今みたいに、ネット中継や、BS、CSの放送もない。地元でもない。でも、どうしてイチローさんの名前が分かるか?といえば、名前が子供からも覚えやすいということもあった。あとは野球界だけではなくて、社会的に“若者が200本を打つという今までやったことのないことをやった”という印象があったと思う」
その社会現象から24年。シーズン最多安打は3回を数え、日本を代表するヒットメーカーとなった。今回のMLB開幕戦は2試合とも自費でチケットを購入し観戦。普段座ることのないスタンドから球場を見下ろした。ベースボールの空気感を存分に味わった。イチローの一挙手一投足に視線を注ぎ、その姿に感じ入った。
「イチローさんが打席に入る時、守備に就く時、声援の応え方とか……。(見ていて)選手として必要なところかなと思った」
2019年シーズンの開幕を目前に控え、秋山は必勝祈願で奉納した絵馬に「全てを越える」としたためた。
「日本一にならないといけない。個人的にも、タイトルだったり、色んな選手に負けないように頑張っていきたい」
“全てを越えろ”ーー。 秋山の応援歌の歌詞の一部だ。2015年にイチローの最多安打記録を塗り替えた216安打の自身の記録を越えることも視野に入れる。あの日野球少年だった秋山が、野球選手になる夢を叶え、またどこかの子どもたちの憧れになる。
(安藤かなみ / Kanami Ando)