西武山川、第1号の劇的同点満弾は「同じ状況で回してくれた人たちのため」
開幕戦で一時同点のグランドスラム、チームはサヨナラ負けも「いい試合でした」
■ソフトバンク 5-4 西武(29日・ヤフオクドーム)
西武・山川穂高内野手が29日、ソフトバンクとの開幕戦(ヤフオク)で今シーズン第1号のグランドスラムを放った。
4点を追いかける8回、無死満塁で絶好の機会が回ってきた。6回の1死満塁のチャンスではソフトバンク先発・千賀の前に、犠飛にはもうひと伸び足りないセンターフライに倒れ、決定機を逃した。「もう1回同じ状況で回してくれた人たちのためにも」と、4番の腕に力が入った。加治屋の放った8球目の直球を思い切り振り抜きスタンドに豪快なアーチをかけ、一振りで試合の流れを変えてみせた。変化球中心の攻めをファウルでカットし、「最後の最後で甘い球を仕留められた」と胸を張った。
開幕戦を直前に控えた28日には「開幕戦は特別。なかなか冷静に周りを見ることができない」と話していた山川だが、この日の本塁打の場面も「冷静に行けていなかった。精一杯(バットに)当てた結果です」と振り返る。開幕戦の独特な雰囲気の中だったが、4番の仕事をきっちりこなした。
この日は開幕戦からいきなり延長戦に突入する4時間超えゲームとなったが、11回にヒースが打たれサヨナラ負け。山川は「一発目から緊迫した試合でした。最初に経験できてよかった。負けたけれど、明日(30日)以降に繋がるかな。いい試合でした」と表情に充実感をにじませていた。
(安藤かなみ / Kanami Ando)