イチローへの感動的な広告掲載、ゴードンへの称賛の声やまず「一流の行動」
メディア関係者が続々とゴードンを称える「イチローへの賛辞は素晴らしかった」
現役を引退したマリナーズのイチロー外野手に対して、多くの選手、球界関係者、メディアが敬意を表している。その形は様々だが、特に大きな話題となっているのが、同僚のディー・ゴードン内野手が地元紙「シアトル・タイムズ」に掲載した全面広告だ。2人が抱き合う写真、「THANK YOU, ICHIRO.(イチロー、ありがとう)」の大きな文字とともに刻まれた全2298文字のメッセージは感動を呼んでおり、メディア関係者からは、ゴードンに対して「一流」「最高」などと称賛の声があがっている。
マーリンズ時代の2015年からチームメートとなり、イチローを“師”と仰ぐゴードンが幼少期から抱く背番号51への敬意、愛情を綴った全面広告。移籍した選手が古巣への感謝の思いを広告として新聞に出すことはメジャーリーグでは珍しくないが、引退する選手への同僚のメッセージを刻んだ紙面は超異例だ。
「シアトル・タイムズ」の記事の中で、本人は広告掲載を決断した後に「これはちょっとやり過ぎかもしれない」と考え、イチロー本人にメッセージを送ったことを明かしている。しかし、「ヘイ、ちょっと色々やってしまったことがあったんだけど、もしも気に入らなかったら、ごめんなさい。でも、もうやっちゃったよ」というゴードンの思いをイチローは受け入れたという。ゴードンは「彼は気に入ったんだ。驚きだったよ」と振り返っており、ここにも強い“絆”が伺える。
イチローへの敬意溢れる紙面はMLB公式サイトも取り上げるなど反響を呼んでおり、米メディアは続々とゴードンを称賛。地元メディア「Longreads」のブリトニー・デラクレタス氏は「なんてことなの、ディー・ゴードンを気に入ったわ!(そしてイチローも!)」とツイッターに書き込み、シアトルのTV放送局「Q13 FOX News」のニュースキャスターを務めるビル・ウィクシー氏も「今日のシアトル・タイムズに登場したディー・ゴードンからのイチローへの賛辞は素晴らしかった」とつぶやいた。
また、CBSスポーツのシニア・エディターのクリス・タワーズ氏は「ディー・ゴードンは紛れもなく最高だ」と絶賛。野球熱が決して高いとは言えないイギリスのジャーナリスト、リア・ボロメオ氏もツイッターで「イチローの引退に関して、ディー・ゴードンによる一流の行動」と称えた。
ファンからは「泣ける」とのコメントも殺到しているメッセージ。イチローを気遣いながらも、感謝を伝えるために実際に行動に移したゴードンの素晴らしい人間性も感動を呼んでいる。
(Full-Count編集部)