イチローの伝説「レーザービーム」の現場に…米記者が敬意「絶対に忘れない」
2001年の“伝説”を見ていた記者が回顧「とんでもない送球をこの目で見た」
21日のアスレチックス戦で現役を引退したマリナーズのイチロー外野手は、球史に名を残す名選手として数々の伝説を残した。その中で最も印象深いプレーは、どれだろうか。もちろん、人によって思い浮かぶものは違うだろうが、メジャー1年目に全米に強烈な印象を与えた「レーザービーム」送球は必ず候補に入ってくるだろう。ある米国人記者は、このプレーを球場で生で“目撃”したことを明かし、「絶対に忘れることはない」と振り返っている。
まさに伝説的なプレーだった。今から18年前。2001年4月11日のアスレチックス戦。同4月2日にメジャーデビューを果たしたばかりのイチローが、8回1死一塁の場面でとてつもない送球を見せた。ライト前へのヒットを捕球すると、三塁へノーバウンドでストライク送球。ボールは低い軌道のまま勢いを失わずに三塁手デビッド・ベルのグラブに到達し、一塁から三塁を狙ったテレンス・ロングをアウトに仕留めた。
解説者が思わず笑い声をあげてしまったほどの“一投”。実況が「レーザービームだ」と絶叫したことで、その呼び名が定着し、イチローの代名詞にもなった。その驚くべき強肩ぶりを全米の野球ファン、そして、メジャー関係者に知らしめたプレーだった。
この試合を当時、球場で観ていたというのがMLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」を担当するエイドリアン・ギャロ記者だ。イチローの現役引退を受けて、自身のツイッターで「オークランド・コロシアム(アスレチックス本拠地)のライトスタンドの見晴らしの良い場所から、新人だったイチロー・スズキの手から放たれたとんでもない送球をこの目で見たことを覚えている。哀れなテレンス・ロングにとって(セーフになる)チャンスはなかった。間違いなく絶対に忘れることはない場面だ」と投稿。最後にハッシュタグ「#ThankYouIchiro(ありがとう、イチロー)」と添えた。
メジャー通算3089安打、日米通算では“世界最高”の4367安打、10年連続200安打などいくつもの圧倒的な記録を残してきたイチロー。一方で、記憶に残る名プレーも数えきれない。記録にも記憶にも残る背番号51が刻んできた“歴史”に多くの人たちがあらためて敬意を表している。
(Full-Count編集部)