菊池雄星、一瞬ヒヤリ!? ブルペンで味方野手に死球も…「あいつはいいやつ」
控え一塁手のボーゲルバックの腰付近に…「申し訳ないです」
マリナーズの菊池雄星投手(27)が1日(日本時間2日)、本拠地でブルペン入りし42球。軸球の直球に加え調子のバロメーターとするカーブに手応えをつかみ「カーブがきれいに行っていれば、他の球種はなんとかなるし、いい投げ方をしないとカーブは行かないので」。12球で状態を確認した。
いいリズムでミットに投げ込む菊池。ところが3球目から左打席に立った控え一塁手のボーゲルバックへの5球目は手元が狂い、右腰付近を直撃。心配してマウンドから近寄る菊池にボーゲルバックは言葉を交わさずにその場から立ち去ってしまった。終了後、菊池は囲んだ報道陣に「ガッツリ、インコースに真っすぐが抜けました。無言で帰ったので怖いんですけど」と説明。その後に恐る恐るクラブハウスへ。奥に座っていたボーゲルバックに詫びを入れると笑顔に戻った。
被害者となったボーゲルバックは出場機会に恵まれない控え選手。打撃感覚を維持したい気持ちから生きた球を見るため志願して打席に立ったが、まさかの死球。一瞬、ぶぜんとした表情を見せたものの、「あいつはいいやつだから」とはなから気にしていなかった。
もっとも、周囲から“菊池いじり”の格好の種に。2人のやり取りが終わった直後にたまたま横を通りかかったサービス監督は「信じられない。味方の選手にぶつけたのか!!」と苦笑。怪我で離脱中のシーガー内野手も「本当かよ!」とジョークの輪を広げ、菊池は両手を合わせる仕草で平謝りするしかなかった。
3月2日のロイヤルズとのオープン戦で頭部に死球をぶつけた菊池は公式戦2試合でまだ死球はないが、図らずも身内に当ててしまった。
ただ、ボーゲルバックに続いて打席立ったスミスからは、動く速球が全盛のメジャーにあって回転のいいフォーシームは有効になるとの助言を受けた。
「ストレートは本当に一番武器になると思うから、もっともっと自信を持ってもっと割合を増やしてもいいんじゃないという話はしてましたけど」
次回4月4日の登板でメジャー初勝利を目指す菊池。アクシデントはあったが、ブルペン調整でいくつかの手応えをつかんだ。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)