和田毅がメジャー初登板で5回1失点(自責0)の好投も白星ならず カブスはサヨナラ負け
降板後に追いつかれ、メジャー3年目での初勝利が消える
カブスの和田毅投手(33)が敵地グレート・アメリカン・ボールパークで行われたシンシナティ・レッズ戦にメジャー初登板。5回を投げて、5安打3奪三振1四球1失点、自責点0の好投を見せた。4点リードのまま、勝利投手の権利を持って降板した。
メジャー3年目で初登板。公式戦の登板は2011年11月19日の日本シリーズ第6戦、中日戦以来となった。
和田は緊張感からか力が入り、ボールが高めに浮いた。先頭のハミルトンに四球を与えてしまう。しかし、落ち着きを取り戻し、続く2番のルジアーノをショートへの併殺打に打ち取った。さらにメジャー屈指の強打者、フィリップスに対しても、制球よくサードゴロに仕留めて、1回を切り抜けた。
独特のフォームから繰り出すボールはバッターがタイミングを取りづらく、和田はテンポの良い投球を続けた。すると、味方打線も援護。2回には7番のコグランが先制の2ラン。3回には3番・リゾと6番・オルトにもそれぞれソロアーチが生まれ、5点のリードを受けた。
最大のピンチとなったのは5回。レッズのシューメイカーから3連続安打を浴びてノーアウト満塁。しかし、和田はここから気合のピッチングを見せる。ヘイズリーを直球で空振り三振に打ち取り、1アウト。続くハミルトンも浅いセンターフライに打ち取った。センターからの送球が、それた間に三塁走者が生還(記録はセンターの送球エラー)。1点を許すも、最少失点で切り抜け、リリーフに初勝利を託した。
和田は2011年12月にオリオールズとメジャー契約を交わし、アメリカでの戦いをスタートさせた。しかし、メジャー1年目の春に左肘を痛め、故障者リスト入り。その後、登板なく、トミー・ジョン手術を受けた。手術から1年がたった2013年の5月にマイナーで復帰登板を果たしたが、本来の力は発揮されず、自由契約となった。
2013年末にカブスとマイナー契約を結び、再出発。開幕はマイナーも、16試合に先発し、9勝4敗、防御率2・55と好投。6月22日にメジャー契約を勝ち取った。カブスは今月4日に先発の柱のサマージャとハメルをアスレチックスへ放出。空いた先発の穴を和田が埋めた。左腕はそのチャンスで好投した。
しかし、和田の降板後、カブスのブルペンが踏ん張れなかった。6回から8回まで連続で失点して同点とされ、和田のメジャー初勝利は消えた。さらに9回裏にも失点し、5-6でサヨナラ負け。和田はこの日87球を投げてストライクは58球。初登板で好投も初勝利はお預けとなった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count